イベント概要
会期 9月15日(火)─10月8日(木)
12:00〜19:00/※月曜休館(但し9月21日開館、24日休館)/入場無料
主催池水慶一
池水慶一(1937年大阪市生まれ)は1960年代初頭から現在に至るまで、関西を中心に活躍してきた現代美術家です。初期の代表作《HOMO SAPIENS》(1965年)では、長良川の河原で鉄格子のついた檻に自ら入るパフォーマンスを行いました。以後、池水の作品やプロジェクトには、象、ラクダ、ゴリラといった動物がモチーフとしてたびたび登場しています。そうした作品の中で池水は、日本の動物園という人工的な環境のうちに生きる動物たちを、私たち人間と同じように生きるひとつの個体として捉え、誠実な眼差しで見つめてきました。
また、1967年から現在も活動しているグループ「プレイ」の中心メンバーのひとりとしても知られる池水は、和歌山県串本町の沖合にて卵型の巨大なオブジェを黒潮に放流する《VOYAGE HAPPENING IN AN EGG》(1968年)の計画者でもあります。この行為は、既存の美術の枠組みにとらわれない試みとして当時大きな注目を浴び、今日まで語り継がれてきました。都市近郊の自然のなかで身体を使って行う彼らの行為は、自然と人間とのかかわりについて、身近な場所から根源的な再考を促すものであったのです。
2011年秋、池水は名古屋市美術館で個展「池水慶一 毛深き人たち――東山動物園のゴリラたち」を開催し、1979年に天王寺動物園で開始したゴリラと対峙する一連の作品を展示しました。アートエリアB1で開催されるこの度の展覧会は、1993年に中津で行った《BLUE CRROSING》以来、実に22年ぶりの大阪での作品発表となります。また、象をモチーフとして制作された三つの作品を、2013年に制作された写真と合わせて展示する初めての機会となるものです。池水が初めて象の作品を制作した1969年から45年以上が経過しました。象と池水の時間はどのように経過し、何が変わったのでしょうか。あるいは何が変わらなかったのでしょうか。 (展覧会紹介:橋本梓/国立国際美術館主任研究員)