イベント概要
演目紹介「紫式部といふものありけり」とは
紫式部は、なぜ『源氏物語』を書いたのでしょうか。
自らの内面を見つめるうちに、そこに様々な女性が存在することに気づいた紫式部は、自分の分身である女性たちの物語を書くことを思い立ちます。彼女たちの心の声を引き出す役目を光源氏に与えて、紫式部の『源氏物語』は始まります。
表面的な幸せと心の奥にある苦悩とのはざまで葛藤しながらも、生きる道を求め続ける女君たち。その中で五人の女君を登場させます。当代一の貴婦人でありながら、夫である東宮をなくし身の置き所を失った六条御息所。高い身分の家に生まれながら幼くして母を失い戻る場所のない紫の上。他、高貴な身分に翻弄される女三宮、自らの身の振り方に苦しみ決断していく空蝉、明石の君。そんな女性たちの心を描きながら、紫式部は書くことで生きる意味を見出していこうとする自分を知るのです。
女君たちの切なくもいとおしい物語、紫式部の物語を平安の音色とともにお届けします。
キャスト・スタッフ
紫式部 高橋雅美
源氏の君 岡村玲子
紫の上 古阪繁子
六条御息所 汐沢京子
京ことば語り 岡田弘子
黒衣 立川裕美
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原作 紫式部
原案 河合隼雄『紫マンダラ』より
脚本 岡村玲子
音楽 尾上和彦『倭歌劇GENJI』より
音楽操作 永田令子
朗読アンサンブル 京・Genjiプロフィール
2006年から京都を中心に活動する女性7名のグループです。桂坂社会福祉協議会に所属し、思い切った解釈で描くオリジナル脚本と、オリジナル音楽により「源氏物語朗読劇」の公演を行ってきました。
源氏物語の底に流れる人の心と自然との融合、命あるものへのいとおしさを美しいことばで届けることに努め、朗読と所作、音楽による斬新な表現方法で紫式部の心を現代に伝えることを目指しています。京都市市民憲章推進者市長表彰受賞。
これまでの主な公演
京都文化博物館・京都府庁旧本館・府民ホールアルティ・源氏物語ミュージアム・上賀茂神社・石清水八幡宮・清凉寺・石山寺・平等院・東福寺・渉成園・京都市立芸術大学・同志社大学・京都外国語大学など。
公演回数はフランス(パリ・カンヌ・アンジェ)、ロシア(サンクトペテルブルク)、イギリス(ロンドン・ギルフォード)、中国(上海・武漢)、アメリカ合衆国(ワシントンDC)での13回の海外公演を含め160回を超えます。