イベント概要
会期2017年11月10日(金)─2018年1月21日(日)
開館時間12:00〜19:00(12/14(木)〜12/24(日)は21:00まで開館)
*休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、12月28日〜1月3日
*入場無料(一部有料イベント)
メインアーティスト 立花文穂(アーティスト/グラフィックデザイナー)
参加メンバー荒木信雄(建築家)、石田千(作家)、高山なおみ(料理家、文筆家)
長崎訓子(イラストレーター)、齋藤圭吾(写真家)、
ワタナベケンイチ(イラストレーター)、
ナイジェルグラフ(グラフィックアーティスト)、テニスコート(コントユニット)、
中野浩二(彫刻家)、コンタクトゴンゾ(パフォーマンス集団)、
MAROBAYA[マロバヤ](衣服)、太陽バンドと野村卓史、
片貝葉月(アーティスト)、藤丸豊美(アーティスト)、
葛西絵里香(アーティスト)、
伊勢克也(アーティスト)、島武実(作詞家、音楽家)、
仲條正義(グラフィックデザイナー)、他
主催アートエリアB1
企画制作大阪大学21世紀懐徳堂/NPO法人ダンスボックス
助成損保ジャパン日本興亜「SOMPO アート・ファンド」
(企業メセナ協議会 2021Arts Fund)、
大阪市、芸術文化振興基金
協力京阪電気鉄道(株)
予告編チラシ>>>tetsugei-7_yokoku_flire.pdf
鉄道芸術祭とは
“鉄道” には、車両や沿線図、列車が走る線路や駅舎・ホームなど、先進的な技術や魅力とともに、そこにまつわる文化や歴史があります。駅のコンコースにあるアートエリアB1では、その創造性に着目した事業「鉄道芸術祭」を2010 年より毎年開催しています。2011年からは、本格的なアートプロジェクトとして展開し、国内外の第一線で活躍するアーティストを迎えて、鉄道という歴史や文脈を多角的に捉え、当館の場所性を活かした独創的な企画を実施しています。
都市から都市への鉄道の旅を通して見えてくる【鉄道と身体・知覚・行動】
19世紀初頭、輸送手段の主役である鉄道は、大陸を網羅する線路や車両の規格によって、モノゴトを簡略化する工業化・効率化という世界共通の目的をもたらしました。「図形、図式、図解」を意味するダイヤグラムは、鉄道の普及以降、その運行状況を表す「ダイヤ」となり、より厳格な時間概念とマナーやルールに基づく規範を形成し、人々の振る舞いを規定・規制するようになります。また、駅名やサイン計画、アイコンといった情報伝達に関する識別の基準や記号化は、人々の認知と視覚表現の基本になると同時にそれらを次々と更新しました。
鉄道芸術祭 vol.7では、【鉄道と身体・知覚・行動】をテーマに、それらに重要な役割を果たしていると考えられるグラフィ ックデザインや印刷メディアに着目。メインアーティストには、文字、紙、本を主な素材やテーマに作品を展開するアーティストでグラフィックデザイナーの立花文穂を迎え、展覧会自体を立花が編集とディレクションを担う雑誌【球体7号】として表現しました。『美術・写真・ことば・・・さまざまな表現をぐちゃっとまるめた紙塊である』と謳う「球体」を展覧会として実現しました。
タイトルを、STATION TO STATIONと題して、都市から都市への鉄道の旅を通して、近代以前、海外文化伝来の地点から見えてくる【鉄道と身体・知覚・行動】を考察しました。STATION TO STATIONは、デイビッド・ボウイが「いかに異分野を取り入れるか」をテーマに制作した9枚目のアルバムタイトルでもあり、新しい文化を取り入れるメタファーとして、タイトルに「駅」が使用されたと言われています。本展では、ジャンルの異なる表現者が、国境と時間を超えたリサーチを元に、身体感覚や視覚・知覚的表現を独自の視点で捉え直し、作品を展開しました。それらの表現を通じて、改めて個々人が集団や個人を意識し、わたしたちを取り巻く社会の規制や制度等の問題、そして複雑で豊かな未だ見ぬ可能性を秘める人間の身体感覚の未来を思考しました。
アーティストプロフィール
立花文穂 | アーティスト/グラフィックデザイナー
1968 年 広島県生まれ。 文字、紙、本を主な素材やテーマに作品を制作し、国内外で発表。東京TDC 賞やブルノ国際グラフィックデザインビエンナーレグランプリ(チェコ)を受賞するなど、グラフィックデザインの分野でも評価が高い。個展に「デザイン 立花文穂」展(ギンザ・グラフィック・ギャラリー、2011年)他。グループ展に MOTアニュアル2008「解きほぐすとき」展(東京都現代美術館、2008 年)、「風穴」展(国立国際美術館、2011年)などがある。2007年より自ら責任編集とデザインを手がける不定期刊行物『球体』を始め、現在6号まで刊行している。著書に『かたちのみかた』、『Leaves 立花文穂作品集』(誠文堂新光社刊)。女子美術大学教授。
荒木信雄 | 建築家
1967 年 熊本県生まれ。1990 年 西日本工業大学建築学科を卒業。1997年The Archetype を設立。現在、西日本工業大学客員教授。住宅、オフィス、ギャラリー、ショップなど多岐にわたる設計を行う。クライアントには国内外で活躍するクリエーター、アーティストのほか、個人から企業までと幅広い繋がりをもつ。 actp.co.jp
石田千 | 作家
1968 年 福島県生まれ、東京都育ち。國學院大學文学部卒業。2001 年『大踏切書店のこと』により第一回古本小説大賞受賞し、執筆活動をはじめる。2016 年『家へ』で第三回鉄犬ヘテロトピア文学賞受賞。近著に『箸もてば』(新講社)がある。
高山なおみ | 料理家・文筆家
1958 年静岡県生まれ。レストランのシェフを経て料理家に。文筆家としての顔も持つ。著書に『日々ごはん①~⑫』、『帰ってきた 日々ごはん①~③』、『料理=高山なおみ』、『ウズベキスタン日記』など多数。絵本に『どもるどだっく』、『くんじくんのぞう』(共に絵・中野真典)がある。神戸在住。http://www.fukuu.com/
長崎訓子 | イラストレーター
1970 年東京都生まれ。書籍の装画や挿絵、絵本、漫画、映画に関するエッセイなど多方面で活動中。漫画の作品集に『Ebony and Irony短編文学漫画集』、『MARBLE RAMBLE 名作文学漫画集』(第19 回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品)(ともにパイインターナショナル)がある。女子美術大学准教授。
齋藤圭吾 | 写真家
1971 年東京都生まれ。スタジオ勤務を経て、独立後、雑誌や書籍、広告など様々なメディアで活躍している。主な仕事に『新装・高山なおみの料理』(角川書店)、『ボタニカ問答帖』(京阪神エルマガジン社)など。写真集に『melt saito keigo』(立花文穂プロ. )。
ワタナベケンイチ | イラストレーター
1976 年東京都生まれ。1998年HBファイルコンペ特別賞。2000年HBファイルコンペ藤枝リュウジ賞。雑誌や書籍の挿絵などを中心にワークショップなどもしている。右利き。
ナイジェルグラフ | グラフィックアーティスト
1976 年東京都生まれ。広告、CD ジャケット、書籍などを手掛ける。主な作品に雑誌、POPEYE の表紙イラストや企業会社の手描きロゴなど。またファッションブランドとは数々のコラボを発表している。http://www.naijelgraph.com
テニスコート | コントユニット
2003年武蔵野美術大学在学中に、神谷圭介、小出圭祐、吉田正幸の3人で結成。シニカルな視点から哀愁を帯びた古典的とも新鋭的ともとれるナンセンスコメディを展開したりする。http://tenusugawa.com
中野浩二 | 彫刻家
1977年岩手県生まれ。2000年東京造形大学卒。一貫して”人体”をモチーフにした彫刻作品を発表。主な個展に、『現れた骨格』(2010、ギャラリーKINGYO)、『NAKANO KOJI SCULPTURE』(2011、roid works gallery、gallery FuTaBa)、『Quick』(2010、XYZ collective)。
コンタクトゴンゾ | パフォーマンス集団
2006 年大阪市にて結成し、国内外で活躍するパフォーマンス集団。肉体の衝突を起点とする独自の牧歌的崇高論を樅築し、 即興的なパフォーマンス作品や、 映像、 写真作品の制作、 マガジンの編集などを行う。2011年より公益財団法人セゾン文化財団助成対象アーティスト。
MAROBAYA[マロバヤ]
上村晴彦と木村勇太のふたりで2003年頃から、衣服と布に纏(まつ)わる活動をはじめる。全国各地で年に数回、企画展示を行っている。2017年12月、佐賀町アーカイブ(東京)にて展示予定。
太陽バンドと野村卓史
太陽バンドの名で活動するボーカル&ギター・畑俊行とグッドラックヘイワなどの鍵盤奏者・野村卓史による2人ユニット。今年の6月に始動したばかり。太陽バンドの楽曲を中心に、打ち込みを使ったり、ピアノ伴奏のみで歌ったり、この2人ならではの音楽をいろいろ模索中。 太陽バンドwww.taiyo-band.com、グッドラックヘイワgoodluckheiwa.galactic-label.jp
片貝葉月 | アーティスト
1983年神奈川県生まれ。武蔵野美術大学大学院空間演出デザインコースを修了後、2015 年より作家活動を開始。自らの身体を媒体として生まれる事象をテーマに、身近な素材や即興的な手法を用いた作品を制作している。http://hazukikatagai.com
藤丸豊美 | アーティスト
1987年大分県生まれ。2010年女子美術大学ヴィジュアルデザイン専攻卒業。編み物を中心にした作品を制作。2017年Cite Internationale de Arts(パリ) にて2ヶ月の滞在制作、展示。http://fujimarutoyomi.com
葛西絵里香 | アーティスト
1982 年神奈川県生まれ。女子美術大学短期大学部専攻科を修了。「彫る」という行為から生まれる表現の可能性を追求し、微細な線や網点・文字を彫り込んだ版による作品を制作している。2014年、ヨコハマトリエンナーレ2014 に参加。
伊勢克也 | アーティスト
1960 年岩手県生まれ。自然や風景、人工物など、あらゆるかたちをテーマに作品を制作。2012 年からスタートしたポーランドでの日本庭園プロジェクト「Ogród japonski w Katowice」を継続中。作品集に『家について』(立花文穂プロ.)、『家家』(六耀社)がある。女子美術大学教授。
島 武実 | 作詞家、音楽家
1946 年東京都生まれ。1978 年にPLASTICS に参加。日本のバンドとして初の世界リリースとワールドツアーを行う。作詞家として『硝子坂』(高田みづえ他)、『わな』(キャンディーズ)など多くのヒット曲を手がける他、小説、音楽プロデューサー、クリエイティヴ・ディレクターなど様々な分野で活躍。
仲條正義 | グラフィックデザイナー
1933 年東京都生まれ。1956 年東京藝術大学美術学部図案科を卒業後、資生堂宣伝部、デスカを経て1961年仲條デザイン事務所設立。主な仕事に40 年以上にわたった資生堂『花椿』誌のアートディレクション、資生堂パーラーのロゴタイプ及びパッケージデザイン、『暮しの手帖』誌の表紙イラストなどがある。女子美術大学客員教授。