スタッフブログ

【ウェブサイト公開】クリエイティブアイランド中之島─創造的な実験島─

中之島に拠点をおく14の文化施設等が国内最大規模の創造ネットワークを構築する「クリエイティブアイランド中之島実行委員会」。この度、公式ウェブサイトを公開しました。

2021年には、プラットフォームメディアとしてのWEBサイトを立ち上げるとともに、9つのナイト&デイプログラムを開催します。

中之島が、人、もの、ことをつなぎ、化学反応を起こしながら新しい何かが毎日生まれていく。
そんな"世界中の人々が訪れ集い生まれるクリエイティブなまち中之島"にこれからご期待ください。

https://nakanoshimalab.jp/

創造的実験「パーティー08/NO PARTY」
鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」イベントプログラム

 2020.12.10(B1事務局 清澤)

鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」では、メインアーティストであるcontact Gonzoとdot architectsの2組が「経済」を独自に捉え直すための創造的実験「パーティー」を、会期中9回にわたって実施。経済をめぐる様々な視点から、多種多様な"創作、作業、遊び、etc...."が繰り広げられます。アートエリアB1には、「パーティー」での意図的行為と偶然の出来事の連鎖の痕跡が、会期を通じて蓄積し、鉄道芸術祭vol.10の展示空間を構成していきます。
毎回の「パーティー」を写真とともにレポートします。

鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」詳細情報はこちら

創造的実験「パーティー」全9回のスケジュールはこちら

「パーティー08/NO PARTY」開催情報はこちら

ここまで精力的にさまざまな「創造的実験」に取り組んできたcontact Gonzoとdot architectsですが、12月10日の8回目では、「パーティー」そのものをストライキ、サボタージュし、あらゆることに「NO」を唱えるという、これまでとは逆方向の試みが繰り広げられました。


「パーティー08/NO PARTY」で繰り広げられた行為

・黒のドレスコードに身を包み、各自がお気に入りのくつろぎグッズを持ち寄る。
・「NO PARTY」のプラカードをくつる。
・天井からマイクを吊るす。
・あらゆる質問を投げかけ、全員が「NO」と答える。


party08_全体風景

今回は、労働者の権利主張の手段として行われる集団での職場放棄や、仕事の能率を下げるというアクションを「パーティー」に対して起こすという実験です。

party08_くつろぐ風景

party08_くつろぐ風景2メンバー全員が黒い服を着て集合。各自がダラダラ過ごすためのお気に入りのくつろぎグッズを持ち寄りました。そして、どこから始まったとも分からないうちに、パーティー08が始まりました。

party08_ハンモック

メンバーは思い思いにくつろぎます。ハンモックも吊られ、居心地がよさそうです。

party08_プラカード制作1party08_プラカード制作2party08_プラカード制作3

「パーティー」のストライキということから、「NO PARTY」を訴えるためのプラカードやフラッグも(ゆるゆると)制作されていきます。作業をするメンバー以外は、基本的にダラダラと過ごします。

party08_配信画面

また、今回はオンライン配信画面でも「本日の配信は終了いたしました。」のテロップが終始流れて、ストライキの様相を呈しています。

party08_会場風景

会場ではマイクを天井から吊り下げる他、数本のマイクを設置してメンバーの音声を拾えるようにしています。

party08_マイクで質問を投げかける

「Party」という単語には「政党、党派」や「同じ目的で集まった一団」といった意味もあります。つまり「NO PARTY」は、あらゆる質問に「NO」と答える政党、グループでもあるということで、メンバーがくつろいでいる合間に交代で投げかける質問に対して、他の全員が「NO」と返すという行為が、繰り返されます。

party08_質問する塚原さん

「そろそろ働かなあかんと思ってるんちゃうんか?」
「Nooooo」

party08_質問をする家成さん

「速い車は好きか?昨日締め切りの原稿進んでるんか?」
「Nooooo」

こういった調子で、すべての問いかけに対して「No」が返答されるという行為が繰り返し続けられていきます。

party08_自動書き起こし&翻訳1

配信画面上では、音声認識で自動的に書き起こされた質問文が、英語に自動翻訳されていきます。当然ながら、自動聞き取りと自動翻訳はエラーを起こすので、意味の通らないテキストが表示されたりもします。これもまた、仕事能率を下げるサボタージュ的な要素といえるかもしれません。

party08_自動書き起こし&翻訳2

次々と投げかけられる一見脈絡のない質問には、質問でありながら主張とも異議申し立てとも取れるような内容も含まれていきます。

party08_全体風景

90分を通じてストライキ、サボタージュ、そして「NO」を唱え続けたパーティー08は、最後にはいつ終わったとも分からないなかで、終了となりました。


「パーティー08/NO CREDIT」の痕跡

party08_痕跡パーティー08の痕跡:「NO」のステンシル型

party08_痕跡1

パーティー08の痕跡:床面の「NO」

party08_痕跡2

パーティー08の痕跡:「NO」フラッグ

party08_痕跡3

パーティー08の痕跡:くつろぎグッズのハンモック

撮影:吉見崚

創造的実験「パーティー07/Party manner 2: How to dance」
鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」イベントプログラム

 2020.12.3(B1事務局 スタッフ 下津)

鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」では、メインアーティストであるcontact Gonzoとdot architectsの2組が「経済」を独自に捉え直すための創造的実験「パーティー」を、会期中9回にわたって実施。経済をめぐる様々な視点から、多種多様な"創作、作業、遊び、etc...."が繰り広げられます。アートエリアB1には、「パーティー」での意図的行為と偶然の出来事の連鎖の痕跡が、会期を通じて蓄積し、鉄道芸術祭vol.10の展示空間を構成していきます。 
毎回の「パーティー」を写真とともにレポートします。

鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」詳細情報はこちら

創造的実験「パーティー」全9回のスケジュールはこちら

「パーティー07/Party manner 2 : How to dance」開催情報はこちら

12月3日に開催したパーティー07では、メインアーティストたちがパーティーにおける作法、所作としての「ダンス」をダンサーの中間アヤカさんに習いました。 ダンスには様々な振り付けや動きがありますが、その背景にある考え方なども含めて教えてもらった上で、"パーティーをやり過ごすためのダンス(ゴージャスver.)"を踊ってみるという実験です。


「パーティー07/Party manner 2: How to dance」で繰り広げられた行為と出来事

プロジェクターで明かりを工夫する。
スピーカーで三ヶ尻さんのダンスチューンを流す。
ストレッチをする。
中間アヤカさんにダンスを習う。
シーンを組み立てる。
ストレッチをして終わる。


party07 ゲストダンサーの中間アヤカさん.JPG  party07_ゲストダンサーの中間アヤカさんその2

展示会場の空間をプロジェクターで明かりを調整して、壁面にカラフルなグラデーションとシルエットが浮かび上がるように工夫。即席の舞台が出来上がりました。contact Gonzoのメンバーである三ヶ尻敬悟さんがMIXしたダンスチューンをかけて、中間アヤカさん(上写真)によるダンスレッスンが始まりました。

party07_ストレッチ風景 ストレッチ中.JPG

まずは、しっかりとストレッチから。中間さんによるストレッチ指南を受けながら、本展メインアーティストたちも身体をほぐしていきます。ダンスオーディションでは、すでにこの時点から勝負がスタートしているそうです。

party07 メンバー達の踊りを見る中間さん.JPG

準備体操が終わったところで、「パーティーで音楽がかかっていた時、皆さんだったらどのように踊るか見せてください」と尋ねる中間さん。メインアーティストたちの踊りをひととおり見て、横揺れの動きがメインであること、あんまり楽しそうに見えないことなどを指摘。ここからボックスステップや縦の動き、さらに手の振りも加えた「ゴージャスver.」のダンスを指導していきます。

party07 ダンス指導を受けるメンバー達.JPG

party07_ダンスの練習風景

手の動かし方や、服や顔を触る仕草を取り入れるだけで、みなさんの動きにぐっと表情やダンスらしさが出てくるのが不思議です。表情などアーティストたちの細かなアレンジを褒めながら、中間さんのダンス指南が進行します。 

party07_ポージングの練習

party07_ポージングの練習02

続いて、各自が離れて踊りながら合図で瞬時に定位置でポージングを決める練習です。最初のダンスから打って変わって、メンバーの動きがますます大きく自在になっていくと同時に、ポージングよってひとつのシーンの区切りが生まれるのが、よく分かります。

party07 ダンスバトル発生中.JPG

時間が進むにつれ、ダンスの流れの中で人のダンスを真似してとデュオやダンスバトルが発生し、その周りにはそれに参加する、囃し立てる、またはそれに参加しないといった動きが起こっていきます。

さらに誰かがソロダンスを始めると、その周りにはソリストを引き立てる役割が発生するなど、ダンスの輪の中で自然と様々な動きが連動しては新しい動きが生まれ、移り変わっていくことが実践の中で徐々に明らかになってきました。

party07 ダンス実践中のメンバー達_01.JPG party07 ダンス実践中のメンバー達_02.JPG

今回のパーティーの締めくくりとして、これまでに展開したダンスを組み立て、ひとつのシーンを作り上げることを目指します。「ライオン」「お金持ち」「川」といったキーワードを基にした塚原悠也さん(contact Gonzo)の即興ソロダンスから、さまざまな動きや、小道具(花びら)などが付け足され、パーティーダンスのシーンはますます大きくゴージャスに展開し、決めのポーズで締めくくられました。

party07_ゴージャスver.のポージング

最後に再びストレッチを丁寧に行いクールダウン。パーティー08は無事に終了しました。

party07_再度ストレッチ中.JPG

現在の展覧会場では、今回のパーティーの痕跡として、腰痛のため本パーティーに参加できなかった三ヶ尻さん(contact Gonzo)のアバターが、今回のダンスをトレースして踊っている様子を映像投影しています。

次回の8回目では、「パーティー」そのものをストライキ、サボタージュするという実験を行います。


「パーティー07/Party manner 2: How to dance」の痕跡

party07の痕跡_三ケ尻さんアバター

パーティー07の痕跡:三ケ尻さんのアバター映像

party07の痕跡_反射材フィルム

パーティー07の痕跡:中間さんの背景に使用した反射材フィルム

party07の痕跡_会場風景

パーティー07の痕跡:会場風景

撮影:吉見崚

創造的実験「パーティー05/No credit」
鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」イベントプログラム

 2020.11.19(B1事務局 清澤)

鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」では、メインアーティストであるcontact Gonzoとdot architectsの2組が「経済」を独自に捉え直すための創造的実験「パーティー」を、会期中9回にわたって実施。経済をめぐる様々な視点から、多種多様な"創作、作業、遊び、etc...."が繰り広げられます。アートエリアB1には、「パーティー」での意図的行為と偶然の出来事の連鎖の痕跡が、会期を通じて蓄積し、鉄道芸術祭vol.10の展示空間を構成していきます。
毎回の「パーティー」を写真とともにレポートします。

鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」詳細情報はこちら

創造的実験「パーティー」全9回のスケジュールはこちら

「パーティー05/No credit」開催情報はこちら

去る11月19日、「貨幣シリーズ」の最終回となる創造的実験「パーティー05/No credit」が実施されました。「パーティー03、04」で製造された5種類の"貨幣"について、その価値や信用をめぐる実験が座談会形式で展開しました。


「パーティー05/No credit」で繰り広げられた行為

・テーブルを出し、丸太を切って椅子にする。
・作った貨幣を並べてその価値を話し合う。
・ソーセージを茹でホットドッグを作る。
・単位が「パーツィー」に決まる。
・1パーツィー=100,000円とする。
・絵柄ごとに単価を決める。
・貨幣を撮影する。


party05 準備風景

パーティー実験場には、赤いカバーをかけられたテーブルが置かれています。その上に、前回製造し乾かしてあった貨幣を並べていきます。

party05 乾いた貨幣

乾いて色が明るくなった貨幣は、その絵柄もはっきり見えるようになっています。

party05 会議の雰囲気でスタート

テーブルの周りにcontact Gonzoとdot architectsのメンバーが着席し、「パーティー05」がスタートしました。今回は、ゆったりとしたヒーリングミュージックのようなBGMが流れる厳かな雰囲気のなかで、「GDP(Gonzo dot party)」が発行する新貨幣の価値を協議する重要会議としてのパーティーです。

party05 貨幣を確かめる

メンバーは思い思いに貨幣を触ったり、持ち上げたり、叩いてみたりしながら、その触感を確かめます。乾かしただけの貨幣をさらに完成させるために、焼成する、シリコンやチョコレートといった液体を流し込み、固めて型を取るなどのアイデアが出ました。

party05 ソーセージを茹でる

手前に置かれた小鍋では、並行してホットドッグを作るためにたくさんのソーセージが茹でられます。

party05 単位は「パーツィー」に決定

この新しい貨幣について、まず単位が「パーツィー」と定められました。通貨記号のデザインと、1パーツィーは日本円に換算して10万円ということも決まりました。

ADS_1823.jpg

続いて、5種類の絵柄ごとの単価が話し合われます。

party05 パーツィー一覧

上の写真のとおり左から2パーツィー、5パーツィー、10パーツィー、50パーツィー、100パーツィーとなりました。 下段は金塊化された各パーツィーのイメージです。

party05 パーツィー山分け

テーブル上にある財産を、一旦ここにいるメンバーで山分けすることになりました。好きな貨幣を選んで取り分けていきます。

 party05 塚原さん party05 三ケ尻さん

山分けの結果、例えば塚原さんは217パーツィー(=2,170万円)、三ヶ尻さんは49パーツィー(=490万円)を保有していることになりました。

party05 パーツィーと1万円札

パーツィーの価値について話す中で、1万円札とパーツィーを交換したいかどうかという問いには、今はまだ交換したくないなぁとの声も。当たり前ですが、パーツィーの価値に対する「信用」はまだないということですね。

party05 話し合いの様子.jpg

どうすればパーツィーを流通させられるかというテーマでは、展覧会を見にきてくれた方は、会場に展示してある貨幣を持ち帰ることができるようにして、それを後日何かと交換できるようにする、というアイデアが出ました。この案は、引き続き具体的に検討される予定です。

party05 パーツィーの金塊イメージ

最後には、松見さんがパーツィー貨幣の単価ごとの絵柄を撮影し、CGを使って絵柄を型にした金塊イメージを作成して「パーティー05」は終了となりました。

撮影(プロセス):吉見崚


「パーティー05/No credit」では、新しい貨幣「パーツィー」の価値と信用をめぐって、お金にまつわる各メンバーの感覚や思い出の話、またお金のかたち、お金と情報の関係などさまざまな方面にも話が展開しました。
会場には、痕跡として今回のテーブルと丸太の椅子が残され、パーツィーの見本が展示されています。また、見本以外の貨幣はお持ち帰りいただくことが可能です。持ち帰ったパーツィーは、今後価値が上がった時に備えて、大切に保管していただければと思います。

party05_テーブル

テーブルの上のパーツィー貨幣見本

party05_丸太は切って椅子として使われた丸太は切って椅子として使われた

party05_痕跡風景パーティー05が行われたエリアの全体風景

party05_持ち帰り可能な貨幣お持ち帰りが可能なパーツィー貨幣

撮影(痕跡):松見拓也

創造的実験「パーティー04/The factory is movin'」
鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」イベントプログラム

 2020.11.12(B1事務局 清澤)

鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」では、メインアーティストであるcontact Gonzoとdot architectsの2組が「経済」を独自に捉え直すための創造的実験「パーティー」を、会期中9回にわたって実施。経済をめぐる様々な視点から、多種多様な"創作、作業、遊び、etc...."が繰り広げられます。アートエリアB1には、「パーティー」での意図的行為と偶然の出来事の連鎖の痕跡が、会期を通じて蓄積し、鉄道芸術祭vol.10の展示空間を構成していきます。
毎回の「パーティー」を写真とともにレポートします。

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創造的実験「パーティー」全9回のスケジュールはこちら

「パーティー04/The factory is movin'」開催情報はこちら

11月12日の創造的実験・第4回目は、「貨幣工場稼働中」というタイトルが示すとおり、前回からの続きで貨幣を製造する実験に取り組みました。前回の「パーティー03」で丸太を彫り出して作ったさまざまな"貨幣の文様"を用いての貨幣製造が、どのようにして展開したのかご紹介します。


「パーティー04/The factory is movin'」で繰り広げられた行為

・ベルトコンベアで作業レールを設置する。
・粘土を一定の厚さに切る。
・丸太の版型を粘土板に突く。
・作業音をサンプリングしてBGMにする。
・出来上がった貨幣を並べて乾かす。
・炊き出しとしてアフリカ料理のドモダを作る。


party04 作業風景

この日は、貨幣製造の流れ作業を行うための装置と場づくりからスタートしました。壁面に展示してある《History of value》のベルトコンベアを取り外して、2本の作業用レールを設置します。貨幣の素材となる粘土は、300kg用意されました。

party04 粘土を切る作業

まず、四角い粘土の塊を一定の大きさにカットして1本目のベルトコンベアに載せていきます。これが貨幣の本体となります。

party04 丸太の版型

丸太の判型はかなりの重量があり、男性2人で抱えます。手前で1人が粘土板が運ばれてくるのを待ち構えて、コンクリートの土台の上に移します。

party04 丸太を粘土に突く

2人がタイミングを合わせて丸太を持ち上げ、もう1人がその真下にすばやく粘土を置きます。そして判型を粘土に突きます。

party04 粘土をベルトコンベアに移す

貨幣の判が押された粘土板は、2本目のベルトコンベアに載せられて、その先で乾燥コーナーに並べられていきます。

party04 貨幣

顔の紋様が押された粘土(貨幣)。この日の「パーティー04」では、この一連の流れ作業がひたすら続けられることになりました。

 party04 粘土 party04 丸太を突く

 party04 紋様 party04 貨幣アップ

写真左上から順に:粘土板を台に置く→粘土板に版型を突く→紋様が浮かび上がる→ベルトコンベア上の貨幣

party04 BGM三ケ尻さん

今回のパーティーでもBGMを担当するのは三ヶ尻さんです。丸太をつく音や作業のかけ声をサンプリングしながら、現場の作業ペースに合わせてリズムに緩急をつけた曲が流れます。サウンドが重なると、一連の労働そのものがお祭りやパーティーでの動きのように見えてきます。

party04 撮影&配信は松見さんparty04 松見さん撮影風景

撮影&配信を担うのは松見さんです。今回の配信では、右から左に流れるベルトコンベアの映像を中心に、判型を突く前の粘土板→判型を突くところ→貨幣になった粘土板という流れが見えるように画角がレイアウトされました。
また、同じ画面上で炊き出しのプロセスも見ることもできます。

party04 炊き出しをする塚原さん

炊き出しでは、塚原さんがcontact Gonzoのドイツツアー中によく作って食べたという、アフリカ料理の「ドモダ」を作ります。トマトベースのソースにピーナッツペーストを加えて、鶏肉などを煮込む料理だそうです。

party04 丸太をカット

全長3メートルの丸太はあまりにも重いため、1人でも突けるように丸太を適当な長さでカットすることになりました。

party04 作業風景

この工夫によって作業効率がぐっとアップし、貨幣の量産体制が整いました。

party04 作業風景

全体の作業風景。作業スピードが上がり、次から次へと貨幣が製造されていきます。

party04 貨幣を乾かす

出来上がった貨幣は、乾燥コーナーにずらりと並べられていきます。

party04 並べられた貨幣

貨幣の紋様は全部で5種類。見分けられるでしょうか?

party04 アフリカ料理「ドモダ」

見た目からも濃厚な味わいが想像できるアフリカ料理「ドモダ」が出来上がりました。

party04 後片付け

すべての粘土を使い切って、貨幣製造は完了。
作業レールのベルトコンベアはきれいに水拭きされて、元の展示位置に戻されました。

party04 ベルトコンベアも元の位置に


「パーティー04/The factory is movin'」で大量に製造された5種類の貨幣をはじめ、使用された道具などを痕跡として会場で見ることができます。
次回、貨幣製造シリーズの最終回「パーティー05/No credit」では、これら貨幣の"価値と信用"をめぐる実験が予定されています。引き続き、どうぞご注目ください。

party04 痕跡(貨幣)

パーティー04の痕跡:製造された貨幣

party04 痕跡(使用された判型)

パーティー04の痕跡:使用された判型

party04 痕跡(丸太)

パーティー04の痕跡:カットされた丸太

party04 痕跡(粘土台)

パーティー04の痕跡:粘土台と粘土を切る道具

 

撮影:吉見

「踊ることの政治学」
ラボカフェスペシャル featuring 鉄道芸術祭vol.10

 2020.11.11(B1事務局 スタッフ 丸塚)

人々が集団で歌って踊り、主張するという行為は、古代の祭祀から現代の民衆運動まで長らく受け継がれてきたものであり、感性を解放するという人間の根源的な営みとも言えます。

鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gono dot party)」のイベントプログラムとして2020年11月11日に開催したラボカフェでは、アナキズム研究がご専門の栗原康(くりはらやすし)さんをゲストにお招きし、おもに一遍上人の「踊り念仏」の話を中心に、踊りが政治や経済に与えた歴史についてお話いただき、鉄道芸術祭vol.10メインアーティストの塚原悠也さん(cotact Gonzo)、寺田英史さん・土井亘さん(dot architects)、そしてアートエリアB1運営委員の久保田テツさんとの対談を行いました。

▶「踊ることの政治学」イベントの詳細はこちらから

ゲストの栗原康さん

栗原さんには、まず冒頭でアナキズムとは何かということについて解説していただきました。よく「無政府主義」と訳されるこの思想は、語源から考えると「無支配」という意味合いが強く、政府に限らず私たちを支配するもの、いわば社会において有用とされているものに疑問を投げかけようとする思想だそうです。現在の社会においても稼げる人間を有用とする資本主義による支配が存在し、アナキストはこういった支配に疑問を投げかけると、栗原さんは語りました。ただし反資本主義を掲げると、今度はその主義に囚われて稼がないことが正しいと考えてしまう難しさがあり、何が正しいかに囚われないことがアナキズムの課題とも言えるそうです。

 

そして栗原さんが日本におけるアナキストの元祖として挙げたのが、「踊り念仏」で知られる一遍上人です。もともとは浄土宗を学んだ人物ですが、有用性を重んじる当時の社会や仏教界に疑いを持つようになり、時宗を開きました。時宗とは、文字通り時間という概念にこだわりを持った宗派です。時間は将来に関わるものであり、仏教においても大きな意味を持ちます。しかし時間があるからこそ人は有用性を求めると考えた一遍上人は、時間の価値を壊すために今という時間に没頭して仲間と念仏を唱えたと、栗原さんは語りました。

踊念仏のスライドを見せながら語る栗原さん

そして念仏を唱え続けることでトランス状態になった集団は、やがて周囲の人間も巻き込んで踊り狂い、屋敷に上がり込んで家財を壊すなど、町を混乱に陥れるまでになったと言われています。政治や経済といった社会の仕組みをも壊しかねなかったために、ほかの宗派や権力者からの反感を買ってしまいましたが、一遍上人の思想に多くの人が共感し、その踊りの列に加わったのもまた事実です。

なお一遍上人自体は、踊り念仏について多くは語らなかったと言います。しかし「はねばはね踊らばをどれ春駒の のりの道をばしる人ぞしる(子供や荒馬のように有用性に囚われずに手に負えないものになって、跳ねたければ跳ねれば良いし踊りたければ踊れば良い。本当の仏法はわかる人にはわかる)」といった一遍上人の和歌に、一遍上人が見いだした集団で踊ることの意義が現れています。

一遍上人は詩吟に造詣が深かったようで、弟子たちに何か尋ねられると詩吟で返していたそうです。ちなみに栗原さんも趣味が詩吟ということで、会場では実際に栗原さんによる詩吟で一遍上人の和歌が披露されました。

 

一遍上人の和歌を詩吟で披露する栗原さん

 

アートエリアB1で開かれている企画展「鉄道芸術祭vol.10」のメインアーティストであるcontact Gonzoやdot architectsのメンバーのみなさんも、栗原さんの軽妙なトークにすっかり引き込まれたご様子でした。

続く対談では、一遍上人の踊り念仏について、自身や自身の主張をよく思わない存在に対して集団で立ち向かうこと、社会において有用とされているものに疑問を投げかけていくこと、熱量をもって踊り狂うことのある種の無意味さ、あるいはそのパフォーマンス性など、本展で繰り広げられている多種多様な「パーティー」の態度にも通じる要素が取り上げられ、お話が展開しました。

前日のバタイユおよび西洋の文脈に続いて、この日は仏教や日本の歴史からの鉄道芸術祭テーマに通じるお話を聞いて、経済とパーティーというテーマが、さらに広がり深まっていく可能性を感じることができました。会期中に複数回予定されている創造的実験「パーティー」の積み重ねから、さらにどういったものが導き出されるのか、楽しみです。

鉄道芸術祭メインアーティストと栗原さんの対談風景

「駅舎の建築と余剰の美学 バタイユの全般経済学から」
ラボカフェスペシャル featuring 鉄道芸術祭vol.10

 2020.11.10(B1事務局 小原)

2020年11月10日に、鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」のイベントプログラムとして、『呪われた部分−全般経済学試論・蕩尽』をはじめとして、思想家ジョルジュ・バタイユをめぐる数多くの著書/訳書を手がけるフランス文学者の酒井健さんをゲストにお招きして、トークを開催しました。 カフェマスターは、メインアーティストのcontact Gonzoの松見拓也さん・三ヶ尻敬悟さんと、dot architectsの家成俊勝さん、そしてアートエリアB1運営委員の木ノ下智恵子さんです。

▶イベントの詳細はこちら

本展では、現代の経済システムがもたらす生産性・有用性重視の価値観を疑問視し、アーティスト独自の手法で、「経済」の捉え直しを試みています。その企画を構想する上で参照したのが、バタイユの著書「全般経済学試論」に見られる「蕩尽」という考え方でした。また、当館が京阪電車の駅構内に立地していることもあり、今回のトークでは、バタイユの「全般経済学」をふまえた「駅舎の建築と余剰の美学」について、酒井さんにお話いただき、続いてメインアーティストたちを交えた対談を行いました。

ゲストの酒井健さん

文学、哲学、宗教、経済、性、社会学など多くの分野を網羅するバタイユの「全般経済学」の紹介から、酒井さんのお話はスタートしました。 バタイユは、20世紀の二大世界大戦を経験したことで、戦争ではない消費のあり方を求め、考察するようになります。その中で有用性を求める近代経済学を批判し、「蕩尽」に大切な面を見出したといいます。バタイユのいう蕩尽とは、無益だけれども、芸術などを通して心から体までをも震わせて感動するといった、人間にとって最も大切なエネルギーの消費などを指しています。

酒井さんは、そういったバタイユの蕩尽の思想をふまえて、スペイン人建築家であり構造家のサンティアゴ・カラトラバの手掛けた駅舎を例に、建築物における余剰の美学についてお話されました。実用性のみを追求するイメージが強い駅舎ですが、カラトラバのつくる駅舎は、本来の駅の機能に加えて無益な喜びともいえる要素を取り込んだデザインとなっています。

カラトラバの代表作のひとつであるリエージュ=ギユマン駅(下記写真)は、ベルギーの交通主要都市リエージュに建っており、ヨーロッパ一美しい駅舎と称されることもあるそうです。この駅舎には、見開かれた目、掌の広がり、裸体のくびれなどの有機的な身体表現のインパクトがデザインに取り込まれており、周辺環境を含めた芸術作品にならしめています。

リエージュ=ギユマン駅.png

他にも、サン=テグジュペリ空港駅(フランス、リヨン)やシュテーデルホーフェン駅(スイス、チューリッヒ)など、カラトラバのつくる駅舎には、身体的な動きをデザインなどの機能的には無益な要素が、本来の機能にプラスアルファで取り込まれています。その結果、移動の通過点にすぎない駅舎という施設において美と感動が生まれ、芸術的価値が付与されるのです。移動のためだけでなく、駅に行くこと自体が喜びとなるような変化が生まれることになります。実際に、このリエージュ=ギユマン駅を見るためにリエージュを訪れる人が非常に増えたそうです。カラトラバ以前の駅舎において、このような無益な価値は注目されてこなかったようです。

カラトラバによって描かれた人体のデッサン.png

カラトラバの建築に影響を与えたのは、今もヨーロッパの街中に存在している教会たちです。中世に建てられたこれらの教会では、人面葉樹の精霊と聖人たちの彫刻が横並びで配置されたり、古代ローマ時代の伝説上の生き物や異教の大道芸人、あるいは男女が求愛するおおらかな図像が彫り込まれるなど、キリスト教には直接関連のない多種多様なものたちが共存しています。ここに、バタイユのいう蕩尽のありようを見てとることができます。

しかしルネッサンス以降は、自然界と人間は異なる秩序あるものとして切り離され、人間を中心に据えた有用性を求める文化が続きました。 バタイユも若いときは信仰深く、こうした中世の教会堂で祈りを捧げながら、余剰の美が現れた彫刻を目にしていたと言います。

また、カラトラバもこれらヨーロッパの歴史をふまえながら、「建築は運動的なものであふれている」という考えに至りました。そして、駅舎を設計するなかで、駅としての機能を重視しつつ、周囲の自然環境との協調、そして人体の動きから発想した無益で美しい部分も取り入れていこうとします。まさに最適化の中に、無益で無意味なものも取り込むことにあえて取り組んでいるのです。

最後に、メインアーティストのお三方も加わって、バタイユの蕩尽という思想と、その思想を感じさせるカラトラバの駅舎について、対談が行われました。

本来は実利的な通過点に過ぎない施設から「行きたくなる駅舎」という側面が強まった経緯や、パフォーマンスの場としての駅舎の可能性、そのほか有用性のある商業施設と化している現在の日本の駅舎とカラトラバの駅舎の違いなど、多岐にわたって話が展開されていきました。駅構内に立地する当館を会場に、経済を捉え直すための「創造的実験」を繰り広げるお三方の視点も加わったことで、さらに興味深いお話がいくつも生まれました。 そして芸術を通して、蕩尽が人間の大切な側面であることを発信していく意義を、再確認することができました。

ゲストの酒井健さんと、鉄道芸術祭vol.10メインアーティストたちの対談の様子.png

創造的実験「パーティー03/Make the money factory」
鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」イベントプログラム

 2020.11.5(B1事務局 清澤)

鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」では、メインアーティストであるcontact Gonzoとdot architectsの2組が「経済」を独自に捉え直すための創造的実験「パーティー」を、会期中9回にわたって実施。経済をめぐる様々な視点から、多種多様な"創作、作業、遊び、etc...."が繰り広げられます。アートエリアB1には、「パーティー」での意図的行為と偶然の出来事の連鎖の痕跡が、会期を通じて蓄積し、鉄道芸術祭vol.10の展示空間を構成していきます。
毎回の「パーティー」を写真とともにレポートします。

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「パーティー03/Make the money factory」開催情報はこちら

11月5日に実施した3回目では、「貨幣工場を作る」というタイトルの下、貨幣を制作・発行するためのファクトリーを始動させました。この大掛かりな実験は、今回を含めて「パーティー05」まで3回にわたるシリーズで展開される予定です。創造的実験"貨幣シリーズ"の初回はどのようにして進んだのか、ご紹介します。


「パーティー03/Make the money factory」で繰り広げられた行為と出来事
・鉄骨の支柱に丸太を立てかけ貨幣工場をつくる。
・テーブルと冷蔵庫を移動し炊き出しの準備をする。
・丸太を彫って貨幣の判型を作る。
・彫る音をサンプリングしてBGM にする。
・料理が出来上がる。
・貨幣の判型が出来上がる。


party03準備風景

まずは、アートエリアB1に貨幣工場を設置するところから始まりました。単管を縦横に組み合わせて支柱とし、丸太を乗せる作業台をつくります。作業台の乗せられた5丸太の切り口に紋様を彫り、貨幣の判型を制作するという計画です。

party03貨幣工場風景

作業台上部にはラッシングベルトで2本のベルトコンベアが吊り下げられ、カメラが水平移動する簡易な撮影装置も完成しました。

party03炊き出し準備

労働には食べるという行為が欠かせません。どんな労働現場にも必ず食事の場があります。今回は作業をしながらcontact Gonzoの塚原さんが炊き出しをすることになりました。

party03 道具の確認

丸太を彫るための道具を確認するdot architectsのメンバー。ノコギリ、手斧、ノミなどに加えて、グラインダーや丸ノコ、チェーンソーも準備されました。

party03丸太を彫る家成さん

いよいよ木を彫る作業が開始しました。5人のメンバーがそれぞれ一本の丸太に取り組みます。思い思いの貨幣のイメージを思い描きながら、前半は丸太を大まかに成形するためにチェーンソーやノコギリを用いて加工していくパワフルな展開です。

party03丸太を彫る作業party03作業する土井さん

会場には、木屑が舞い散り、さまざまな機械音や作業の音が鳴り響きます。

party03録音する三ケ尻さん

そうした作業の音をcontact Gonzoの三ヶ尻さんが集音マイクで録音し、その場でサンプリングしながらBGMを制作し流していきます。

party03 BGM制作風景

三ヶ尻さんが即興で制作するBGMは、現場や配信映像の雰囲気に独特の起伏とリズムを生み出します。

party03カメラを設置する松見さん

主に撮影と配信を担当するのはcontact Gonzoの松見さん。ベルトコンベア上を流れていくカメラは、落ちる前に誰かが気づいて向きを変えるというルールです。

party03撮影する松見さん

複数台のカメラを用いてさまざまな位置と角度から撮影した映像が、ランダムに切り替わりながらライブ配信が進んでいきます。

party03作業風景

「パーティー03」の全体風景。手前では、BGM制作とライブ配信作業が行われ、その奥で貨幣の判型を彫る作業が進み、最奥の壁際では塚原さんが炊き出しをしています。

party03石田さん貨幣判型プロセス作業が進むにつれ、徐々にそれぞれの貨幣の判型が浮かび上がってきます。

party03家成さんの貨幣判型プロセス

dot architects石田さん(上)と家成さん(下)はいずれも、人の顔のような判型を彫り進めています。そういえば各国の通貨のコインでも、その国の重要な人物の肖像がデザインとして多く採用されていますよね。

party03土井さんの貨幣判型プロセス

一方dot architects土井さんの判型では、丸みを帯びたフォルムに幾何学的な紋様が刻まれていきます。

party03炊き出し

炊き出しも順調に進み、美味しそうな煮込み料理が出来上がりました。
そして貨幣の判型も完成。写真のとおり、形も紋様もさまざまな5種類の判型が出来上がりました。

party03貨幣の判型1 party03貨幣版型2

party03貨幣の判型3 party03貨幣の判型4

party03貨幣の判型5


「パーティー03/Make the money factory」の痕跡としては、貨幣工場コーナーと判型となった丸太、そして木屑が会場に残され、作業時の雰囲気を彷彿とさせます。
そして次回「パーティー04/The factory is movin'」では、この判型を実際に粘土板に突いて、貨幣を製造する実験に取り組むことになります。引き続き、この創造的実験の行方をお楽しみに!

party03痕跡1

完成した貨幣の判型と貨幣工場、そして作業の痕跡

party03痕跡2

party03痕跡3

パーティー03の痕跡(木屑)

party03痕跡4

パーティー03の痕跡(貨幣工場全景)

撮影:吉見崚

創造的実験「パーティー02/Commercial for the party」
鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」イベントプログラム

 2020.10.29(B1事務局 清澤)

鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」では、メインアーティストであるcontact Gonzoとdot architectsの2組が「経済」を独自に捉え直すための創造的実験「パーティー」を、会期中9回にわたって実施。経済をめぐる様々な視点から、多種多様な"創作、作業、遊び、etc...."が繰り広げられます。アートエリアB1には、「パーティー」での意図的行為と偶然の出来事の連鎖の痕跡が、会期を通じて蓄積し、鉄道芸術祭vol.10の展示空間を構成していきます。
毎回の「パーティー」を写真とともにレポートします。

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「パーティー02/Commercial for the party」開催情報はこちら

10月29日(木)に開催した「パーティー02/Commercial for the party」では、"パーティー"という概念を売り込むためのコマーシャル映像をつくるという実験を行いました。コマーシャルといえば通常は、商品やサービスを宣伝するためのものですが、今回は"概念"そのものを売り出そうという試みでした。
一見不可解ともいえる挑戦でしたが、結果的には3本のコマーシャル映像が完成し、展示に加えられました。この日の実験がどのように展開したのか、ご紹介します。


「パーティー02/Commercial for the party」で繰り広げられた行為
・バーカウンターを作り冷蔵庫を置く。
・鳥のぬいぐるみを飾る。
・栓抜き跳上げ装置を作る。
・丸太を置く。
・パーティーファッションやグッズで着飾る。
・3つのシーンを撮影編集して、パーティーの概念のCMを制作をする。


舞台セットの準備

「パーティー02」の準備は、まず「パーティー」のコマーシャルにふさわしい舞台セットをつくるところから始まりました。アイデア会議で、雰囲気のあるバーカウンターをメインセットにすることが決定。杉丸太と大理石のタイル、この日のためにdot architectsが事前に運び込んでいたコンクリートタイルを組み合わせて、バーカウンターが組み立てられました。会場内の冷蔵庫をバー横に設置して飲み物を冷やし、鳥のぬいぐるみも飾られました。

栓抜き跳ね上げ装置

足元に設置されたのは、バーでは欠かせない栓抜きを跳ね上げるための装置です。ドミノのように並べられたコンクリートタイルの先には、木材が重ねられ、さらにその先端部分には栓抜きが置かれます。コンクリートタイルがドミノ倒しになったその勢いで、栓抜きが高く跳ね上がります。跳ね上がった栓抜きをマスターがナイスキャッチ!ビールの蓋を開けてお客に提供するというシナリオです。

バーマスターの三ケ尻さん

舞台のセットが完了すると、contact Gonzoとdot architectsのみなさんも思い思いのパーティーファッションに身を包んで撮影に臨みます。

バーマスターの三ケ尻さんその2

バーのマスターを演じるのは、contact Gonzo三ヶ尻さん。北加賀屋の千鳥文化にあるバーで実際にマスターを務めることもあるといい、まさにはまり役です。

contact Gonzo塚原さん(左)と松見さん(右)

メンバーが交代で撮影しながら、全体のとりまとめと編集はcontact Gonzoの松見さん(右)が行いました。

シーン1:ドミノ倒し

撮影開始。dot architectsの土井さんがコンクリートタイルをドミノ倒しにして、栓抜きを跳ね上げます。

栓抜きキャッチを練習する三ケ尻さん

高く跳ね上がった栓抜きのキャッチしようとする三ヶ尻さん。これがなかなか難しく、跳ね上げる方法や装置の位置の試行錯誤を繰り返して成功しました。

シーン01:dot architects家成さん

ビールを一口飲んだ後に、カメラに向かって決め台詞「Party」を発するdot architectsの家成さん。

シーン2:水平器で平行を測る

続いて撮影されたのは、dot architectsの石田さんと寺田さんが水平器を当てて、バーカウンターの大理石テーブルの水平を見極めようとするシーン。2人は真剣な表情で水平器を見つめますが、なかなか水平は決まらない様子です。

シーン3:丸太を運び込む

撮影は続きます。次のシーンのために前室から杉丸太が運び込まれ、バーカウンター前の床に置かれました。

シーン3:丸太の下敷きになる客

お客のひとり(contact Gonzoの塚原さん)が、その杉丸太の下敷きになっているという設定です。丸太はかなりの重量があるため、一発撮影となりました。

シーン3:賑わうバーカウンター

お客で賑わっているバー。丸太の下敷きになったお客さんにもビールが手渡されます。シーンはこの後どう展開するのでしょうか? コマーシャルの全編は会場の展示にてご覧いただくことができます。

パーティー02編集風景パーティー02編集風景2

すべてのシーンの撮影が終わり、松見さんが映像の編集作業に取りかかります。みるみるうちに編集と加工が施されコマーシャルらしくなっていきます。現場で試写をしながら意見を出し合い、最終的に"パーティー"の概念のコマーシャル映像3本とNG映像1本が完成しました。


「パーティー02」の痕跡はそのまま会場に残され、完成した4本の映像も展示されています。果たして"パーティー"という概念を宣伝するコマーシャルとなっているかどうか、ぜひご自身の目で確認してみてください。

パーティー02事後風景1

「パーティー02」の痕跡:完成したCM映像(左)とバーカウンター(右手前)

パーティー02栓抜き

栓抜き

パーティー02カウンター

ビール瓶とマスターの蝶ネクタイ

パーティー02鳥のぬいぐるみ鳥のぬいぐるみ

パーティー02事後風景2

撮影:吉見崚、松見拓也

創造的実験「パーティー01/Listen to the money」
ラボカフェスペシャルfeat.鉄道芸術祭vol.10 オープニング・プログラム

 2020.10.18(B1事務局 清澤)

鉄道芸術祭vol.10「GDP(Gonzo dot party)」では、メインアーティストであるcontact Gonzoとdot architectsの2組が「経済」を独自に捉え直すための創造的実験「パーティー」を、会期中9回にわたって実施。経済をめぐる様々な視点から、多種多様な"創作、作業、遊び、etc...."が繰り広げられます。アートエリアB1には、「パーティー」での意図的行為と偶然の出来事の連鎖の痕跡が、会期を通じて蓄積し、鉄道芸術祭vol.10の展示空間を構成していきます。
毎回の「パーティー」を写真とともにレポートします。

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開幕初日の10月18日(日)、オープニング・プログラムとして「パーティー01/Listen to the money」を開催しました。「お金の音を聞く」という意味のタイトルが付けられた創造的実験の第1回目は、物事の既存の意味を取っ払い、物理的なモノ・コトとして遊び、新しい見方を獲得するための実験として、以下の出来事が繰り広げられました。

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「パーティー01/Listen to the money」
前室の壁に穴を開け一本ずつ丸太を押し出す。その丸太を次々と立てて束ねる。
柱を立てる動きとシンクロしながら空間中央でソーセージを作る。
その周囲でcontact Gonzoのパフォーマンスが展開する。
茹で上がったソーセージを丸太と同じように束ね、会場内を一周して観客に見せる。


パーティー01空間全景

お金がぶつかり合う音が断続的に響く会場。中央付近には長テーブルとワゴンが置かれ、その上にはボウルや鍋、ソーセージメーカーが準備されています。その手前の床面には大理石でできた四角い土台があります。これは6月に行われた「パーティー」のための試行の痕跡で、小麦粉と水でこねた可塑性のある塊を放り投げ、大理石の台の上で積み重なった様を地形に見立てています。

前室の壁に穴を開ける

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ドリルとノコギリの音が響き前室のベニヤ板の壁に穴が開けられ、前室に積み上げられた杉丸太が一本ずつ押し出されます。

丸太を立てるdot achitects

皮付きの立派な丸太をdot architectsが4人がかりで立てます。丸太はいかにも重そうで、それまでの静かな雰囲気から一転してスリリングな空気に。丸太は1本目を芯として、次から次へと穴から押し出されては垂直に束ねられていきます。

ソーセージ制作風景

並行して中央のテーブルでは、ソーセージメーカーに豚の腸を装着する作業に始まり、淡々とソーセージ作りが進められます。その手元は、背後の壁面に大きくプロジェクションされよく見えます。壁の穴から出てくる丸太と、機械からソーセージが絞り出される様子が時たまシンクロし、全く異なるスケール感、物質であるにもかかわらず差異と境界が一瞬ぼやけるような感覚になります。

contact Gonzo

その周囲では、contact Gonzo3人によるパフォーマンスが展開されます。人と人との接触や肉体の衝突を起点としてさまざまな即興的アクションが繰り広げられ、格闘技やスポーツ競技を間近で見ているような勢いとスリルを感じさせます。

contact Gonzo

contact Gonzoは、丸太立てとソーセージ作りが続けられる周囲を、所狭しと動き回りながらパフォーマンスを展開。そして時々dot architecsメンバーから丸太立てへの応援要請の声がかかると手伝い、またパフォーマンスを続けます。

パーティー01風景こうして会場では、三者三様の出来事が同時多発的に繰り広げられていきます。

ソーセージを束ねる

パーティーも終盤にさしかかり、茹で上がったソーセージは、1本ずつ切り離されて見事に完成。そして15本ほどが束ねられ、輪ゴムで留められていきます。

丸太の御柱を囲んで手拍子

丸太立ても10数本が束ねられたところでようやく終了。周囲をしっかりとラッシングベルトで固定され、御柱のような堂々たる佇まいです。そしてメンバーが柱を囲んで、おもむろに手拍子が始まると儀式のような雰囲気が漂います。

ソーセージを観客に披露する

ワゴンの上でも、先ほどのソーセージの束が直立しており、ここでもソーセージと丸太の形が重なり合います。手拍子を背景に、「ソーセージ柱」は観客の目の前をゆっくりと一周しながら披露され、御柱の元へ届けられました。

御柱とソーセージ柱御柱とワゴン上のソーセージ柱、そして壁面に映し出されたソーセージ柱が重なり合います。ここで会場は暗転となり、「パーティー01/Listen to the money」は終演となりました。


「パーティー01」の痕跡は、そのまま空間に残され展示の要素となっています。ぜひ会場にも足を運んでいただき、創造的実験の痕跡と空間を体感してみてください。

パーティー01後の前室

パーティー01後の杉丸太

パーティー01後の風景パーティー01後全景

撮影:吉見崚、松見拓也

  2021年4月

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