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「災害にまつわる所作と対話」の3週間

今日から4月。サーチプロジェクトvol.5「ニュー "コロニー/アイランド"2 〜災害にまつわる所作と対話〜」が始まってから早3週間が過ぎました。

2日前から、米田知子さんの作品《川(両サイドに仮設住宅跡地、中央奥に震災復興住宅をのぞむ)》の展示が始まりました!
1軒の家に見立てた展示場の導入部分、[ポーチ]から見える景色のようなイメージで、展示しています。

サーチプロジェクトvol.5 会場風景(玄関)米田知子《川(両サイドに仮設住宅跡地、中央奥に震災復興住宅をのぞむ)》2004年 神戸

エントランスにもウェルカムバナーを設置し、家をバックに顔出しパネルでの記念撮影がしやすいよう、少し配置替えを行いました。
記念撮影の際は是非スタッフにお声がけください。

会場入口記念撮影をどうぞ

映像作品が多いこともあり、ソファに腰掛けたり畳に上がったり、ゆっくり鑑賞している方を見かけることが多く、とても嬉しいです。
この家で出会った他の来場者さんやアートエリアB1のスタッフと、作品について、災害について、思ったことを話してみて下さい。
他者と話すことで広がり深まる考えを楽しんでいただければ幸いです。

会場内、リビングのテーブルにはノートを置いています。
話すのはちょっと、、、という方、他の来場者のコメントを見て何か思った方、鉛筆を手にとって下さい。対話する方法も、会期中に探っていきたいと思います。

サーチプロジェクトvol.5「ニュー"コロニー/アイランド"2〜災害にまつわる所作と対話〜」開幕

アートエリアB1の春の企画展「サーチプロジェクト」のvol.5として、「ニュー "コロニー/アイランド"2 〜災害にまつわる所作と対話〜」が3月11日よりスタートしました。

「ニュー

「サーチプロジェクト」はアートエリアB1を活用して、アートや知の可能性を探求(=search)する企画展で、2011年よりスタートしました。今回の展覧会では、惑星・地球に位置する日本列島そのものや地球の営みから起こる「災害」について着目します。

本展では、地殻変動などの地球の営みと、自然からの恩恵を受けて生きる人々の営みから災害を捉えるため、惑星地質学・鉱物学研究者の佐伯和人氏(大阪大学大学院理学研究科 准教授)と、民俗学者の川島秀一氏(東北大学災害科学国際研究所 教授)をアドバイザーにお迎えしています。

会場では、当館を1軒の家に見立てて展示環境を構成し、災害にまつわる様々な事象に向き合いながら生み出された作品やプロジェクト、過去の災害に関する資料を様々なメディアに変換して日常生活の空間に配置しています。(展示内容の詳細は、本ブログでも少しずつご紹介していきたいと思います)

「ニュー 「ニュー 「ニュー

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【出展者・出展内容、展示資料一覧】

畠山直哉(写真家)
《陸前高田》2011-2015、映像 (46:58)

米田知子(写真家)※3月末より展示予定
《 川(両サイドに仮設住宅跡地、中央奥に震災復興住宅をのぞむ)》 2004、写真データをもとにバナー出力(予定)

しりあがり寿(漫画家)
《ボランティア顔出し》2011
《海辺の村》2011、イラストデータを元に壁紙出力
《放射能可視化》 イラストデータを元にファブリックに出力

加藤翼(アーティスト)
《Abandon (South Dakota)》2013、写真

鉄道の記録(提供:京阪電車)

ジョルジュ・ルース「廃墟から光へ」1995、映像 (28:00)
(制作:Ufer! Art Documentary 監督:岸本 康)

「大阪府風水害誌」(出典:大阪府発行物)

contact Gonzo(アーティスト)
《shelters》2008(2015 再編集)、映像(20:00)

小山田徹(美術家)
《握り石》石、《実測図》ドローイング、《巡礼》写真

高嶺格(現代美術家、演出家)
《ジャパン・シンドローム 関西編》2011、映像(31:00)
《ジャパン・シンドローム 山口編》2012、映像(48:00)
《ジャパン・シンドローム 水戸編》2012、映像(49:00) 

3 がつ 11 にちをわすれないためにセンター(せんだいメディアテーク)
「わすれン!レコード」2015
「3 月 12 日はじまりのごはん」2014-2015
「活動報告冊子」2015 
ホンマタカシ(写真家)
《その森の子供》2011、写真 
《アフンガッラホテル》2016、映像 (1:40:00) 

中之島まちみらい協議会
「中之島地区防災お役立ち情報サイト」 

対話工房
「女川カレンダー/対話新聞」
「海の記憶と対話/ソルトサンプリング&マッピング」
「女川町出島浜呼称地図」

志賀理江子(写真家)
《螺旋海岸》2012 

漁師の伝承 川島秀一(本展アドバイザー)より

「地球の箱庭」 佐伯和人(本展アドバイザー)より

※その他、本展アドバイザー(川島氏・佐伯氏)からの情報をもとに、漁や火山活動に関するグッズなどを展示。

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3月11日の初日には、「"災害にまつわる所作と対話"の一日目」と題して、当館運営メンバーによるギャラリーツアーが開催されました。

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本展では、会期を通して様々な対話プログラムを開催します。展示と関連プログラムを通じて、惑星地質学や災害文化などの研究者、アーティストや公共施設、そして"わたしたち" が集い、ともに災害にまつわる所作について考え、この日本列島という"島" に生きることについて、向き合う機会をつくりたいと考えます。

最後に、

東日本大震災、阪神・淡路大震災、新潟県中越沖地震、御嶽山噴火、さらに過去の災害で亡くなられたすべての方々のご冥福をお祈り申しあげます。

 

『アート&サイエンス「ニュー"コロニー / アイランド"」のその先へ』

日々さまざまに会場の状況が変化し、多種多様なトークプログラムを開催しながら3ヶ月間に渡って開催してきた「ニュー"コロニー/アイランド"」もいよいよ628日に閉幕。

その前日、本展のプロジェクトメンバーと企画を立ち上げたアートエリアB1運営メンバーが勢ぞろいして、締めくくりとなるクロージングイベントを開催しました。

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ラボカフェスペシャル×サーチプロジェクト関連企画
知と感性のネットワークシリーズ
クロージングトーク 『アート&サイエンス「ニュー"コロニー / アイランド"」のその先へ』
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0627755.php
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出演メンバーはこちらです。
ゲスト:上田昌宏(大阪大学理学研究科教授)
    中垣俊之(北海道大学電子科学研究所教授)
    dot architects(建築ユニット)
    yang02(アーティスト)
    稲福孝信(アーティスト、プログラマー)
カフェマスター(進行):木ノ下智恵子、久保田テツ(大阪大学CSCD教員、アートエリアB1運営委員)
          塚原悠也(ダンスボックス、アートエリアB1運営委員)

 

トークの前に、まずはプロジェクトメンバー全員でギャラリーツアーを開催。アーティスト、建築チームそれぞれが担当した部分を紹介しながら展示全体の概要を説明していきました。
今回の展覧会では、「アーティストと作品」というかたちはなく、企画趣旨に対してプロジェクトメンバーがそれぞれの分野で尽力しコラボレートして展覧会ができあがっています。

 サーチ4クロージング1

 サーチ4クロージング2

 

トーク前半では、研究者として本展にご参画いただいた上田昌宏さん、中垣俊之さんにそれぞれの研究についてご紹介いただきました。

北海道大学の中垣俊之さんは、本展のために粘菌の培養方法を伝授してくださり、また、本展で培養した「キイロモジホコリ」をご提供くださいました。
北海道大学電子科学研究所の教授であると同時に、「単細胞地位向上委員会」の会長であられる中垣さん。今回のレクチャーでは、ご自身の研究対象であられる「キイロモジホコリ」が含まれる「真正粘菌」の生態をご紹介くださいました

サーチ4クロージング3

彼ら(彼女ら?)は、どういった特性をもっていて、どのように生きているのか。
知性を持っているという粘菌は、迷路を解くことができるといわれています。
その方法は、粘菌が迷路全体を埋め尽くしたあと、最後に一番短いルートだけを残して他の通路にいる部分は撤退していくというものです。

粘菌はそうして最適なルートを探し出します。中垣さんが行った東京の地形を再現した実験では、駅のある場所へ粘菌と餌を置いてやると実際の鉄道網とほぼ同じ形をしたルートをつくったそうです。

サーチ4クロージング4

そのような「知性」が注目されている粘菌ですが、単細胞生物である粘菌は、「切っても切っても粘菌、くっつけてもくっつけても粘菌」だそうで、「自分と他者」という存在がない生き物です。

そして、実験に用いられた黄色いアメーバ状の状態(変形体)は、粘菌の姿のひとつでしかなく、子実体となり、胞子となり風にのって飛んでいくのも粘菌の姿です。

今回の展覧会でも、中之島の形をした培地の上で、粘菌がくっついたり離れたり、そして子実体になり胞子になり、と様々な姿を見せてくれました。

 

続いては、大阪大学の上田昌宏さんによるレクチャー。上田さんが研究されているのは、キイロモジホコリとは異なる種類の「細胞性粘菌」です。

サーチ4クロージング5

キイロモジホコリなどの真正粘菌よりもずっと微小な細胞性粘菌は、「くっつけてもくっつけても粘菌(単細胞)」の真正粘菌とは異なり、飢餓状態に陥ると細胞が集まり、多細胞体制になって子実体をつくって胞子となります。(例えていうと、米の形がなくなり全体が同一化した餅と、米の形を残したまま一体化したおにぎりのような感じでしょうか)

細胞が集まる際、細胞から化学物質が放出され、それに同調するように周囲の細胞が集まってきます。そこから子実体に変化する時、植物でいう茎にあたる部分となりやがて死んでいく細胞と、実になり胞子となって生き延びる細胞とに分かれます。全体の約20%の細胞は、残りの80%の細胞を生かすために死んでいくそうです。

このように、個々の細胞が役割をこなすことで生き延びるため、社会的な生物というふうにも言われています。

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様々に姿を変えながら、動物とも植物ともつかない曖昧で不確かな粘菌の生き方は、我々人間の目から見ると、とても合理的で潔くも見えます。
今回の展覧会では、上田さんの粘菌に対する考えから多くの重要なキーワードをいただきました。それらの言葉は、会場のキャプションに表され、来場者を導く言葉になっていたと同時に、本展の内容を様々な分野に開く(繋げる)キーワードになっていたようにも思います。

(展覧会場のキャプションに表された上田さんの言葉)
「生き続けていれば間違いでもよい」「無限のバリエーション」「1回も死んでない」「多様な性とマッチング」「閉じるのではなく、開いている状態」「マシンは最適解を目指している」「プログラムできないことに対応するためにプログラムされている」「進化のスピードは早い」

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さて、トーク後半は、プロジェクトメンバー、アートエリアB1運営メンバー、そして客席を巻き込んでのディスカッションとなりました。

サーチ4クロージング6

アーティスト、建築家、研究者がタッグを組んだ今回の展覧会。
それぞれの知恵と知識と技術を集結させた展覧会であることは言うまでもないですが、この出会い自体がとても重要な出来事でもありました。
後半のトークのなかで印象的だったのは、上田さんがこのメンバーと出会えたことが面白かったと仰られていたことや、今回の企画が初対面だったにもかかわらず、クロージングトークのなかでは、上田さんがyang02さんの活動を紹介する、という場面があったことでした。

プロジェクトメンバー同士の出会いが様々なアイデアを芽吹かせ、展覧会ができ、さらにそこから新たな知見が生まれた今回のサーチプロジェクトvol.4「ニュー"コロニー/アイランド" ~"島"のアート&サイエンスとその気配~」。展覧会はこれで終了しますが、この軌跡は記録集として出版予定ですので、ぜひご期待ください。

また、プロジェクトメンバーはじめ、展覧会のトークにご出演いただいたゲストの皆様の今後の活躍にもぜひご注目ください。

最後に、展覧会、トークプログラムにご来場いただいた皆様、本展開催にあたりご協力いただいた皆様にお礼申し上げます。

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サーチプロジェクトvol.4「ニュー"コロニー/アイランド 〜"島"のアート&サイエンスとその気配」

プロジェクトメンバー:
上田昌宏(大阪大学理学研究科教授) 
中垣俊之(北海道大学電子科学研究所教授) 
dot architects(建築ユニット)
yang02(アーティスト)
稲福孝信(アーティスト、プログラマー)

トークゲスト(開催順):
西川勝(大阪大学CSCD教員)
岡村淳(映像作家)
清水徹(一級建築士事務所アトリエ縁代表)
福島邦彦(ファジィシステム研究所特別研究員)
畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)
植島啓司(京都造形芸術大学教授)
今福龍太(文化人類学者、批評家)
岡田一男(東京シネマ新社代表取締役)
江南泰佐(作曲家、鍵盤演奏者、快音採取家)
久保田晃弘(アーティスト、多摩美術大学情報デザイン学科教授)
原正彦(東京工業大学大学院総合理工学研究科教授)

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キクチ、川口

サーチ最終週!

3月28日から3ヵ月に渡る、アートや知の可能性を探求(=search)する企画展「サーチプロジェクト」のvol.4「ニュー"コロニー/アイランド"~"島"のアート&サイエンスとその気配~」http://artarea-b1.jp/archive/2015/0628705.phpが最終週に入りました。
そして今週とうとう、中之島培地のすべてのグリッドに粘菌のネットワークが到達しました!

中之島培地を覆う粘菌1.JPG中之島培地を覆う粘菌2.JPG 

展示場内の丸柱が鳥居となり、ビニールテントが張られた中には3Dプリンターが置かれ、椎茸栽培用の原木が組まれ、霧吹きは自動で霧を吹き続ける。
ハイテクのようで、アナログなような。非現実的な空間に白衣を着て立つ。
それが「サーチプロジェクトvol.4」の第一印象でした。

粘菌培地となる「中之島仮設空間」には最初は3Dモデルも粘菌もいない土が広がり、壁面にプロジェクションしている「中之島仮想空間」にはシンプルな空間にアバターが歩いていました。

そんな、非現実的でシンプルな空間に、ワークショップで参加者のみなさん・スタッフのスケッチから生まれた、バグ/ノイズを含んだ画像が「仮想空間」にGPSデータを元に配置され、その画像の3Dモデル化したものが次々に「仮設空間」に置かれていく。それを縫うように粘菌がアメーバ状に広がり、覆い、姿を変える。
日々刻々と姿を変え、リアリティが加わり、一つの生き物のような展示空間になりました。
仮想空間.JPG

粘菌としいたけ.JPG 
映像が動くだけでなく、全体が微動しているような展示。
通りがかりに立ち寄られた方が、その後何度も来られたり、長い時間滞在していただけたり。
見るタイミングによって、見る人によって、様々な印象を持たれたと思います。
粘菌をスケッチする.JPG 
日々の粘菌の変化を、スタッフみなで観察スケッチしています。
過去のスケッチと比較出来るよう、トレーシングペーパーに描いて重ねて展示しています。
会場お越しの際は、過去のものもめくって、ご覧いただけると嬉しいです。 

会期終了まであと5日。関連プログラムも27日のクロージングトーク『アート&サイエンス「ニュー"コロニー / アイランド"」のその先へ』を残すのみとなりました。
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【6月27日16:00〜19:00 クロージングトーク『アート&サイエンス「ニュー"コロニー / アイランド"」のその先へ』】
プロジェクトメンバーとともに、約3ヶ月間におよぶ本展の実験と実践の軌跡を辿り、会期中に開催した多彩なゲストトークで得られた知見や感性を踏まえ、アート&サイエンスの可能性について語り合います。
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0627755.php
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アートエリアB1にて、お待ちしております!

コニシ

ハイブリッドなトーク

ラボカフェスペシャル×サーチプロジェクトvol.4の関連企画として、トーク「生物と工学と藝術〜ハイブリッドの創造性〜」が開催されました。
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ラボカフェスペシャル×サーチプロジェクト関連企画
知と感性のネットワークシリーズ

「生物と工学と藝術〜ハイブリッドの創造性〜」
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0619754.php
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「粘菌コンピュータ」の研究・開発者である原正彦さんとバイオアートなどの分野で活躍されているアーティストの久保田晃弘さんをゲストにお迎えしての本イベントは、まさに生物と工学と芸術を融合したハイブリッドなトークイベントとなりました。
異なる分野を専門にされているお2人によるハイブリッドなトーク、観客の皆さんも楽しんでいただけたのではないでしょうか。

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原正彦さんのプレゼンテーションでは、自己組織化、時空間機能、揺律創発をキーワードに、「粘菌コンピュータ」についてお話ししていただきました。
現在のコンピュータは正確な答えを出すことができる代わりに、想定外やノイズに弱く、情報量が多いと処理にとても時間がかかってしまいます。しかし、「粘菌コンピュータ」は情報量が多くても、現在のコンピュータのように情報爆発を起こさずに、平均よりもそこそこ良い答えを出すことができます。

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久保田晃弘さんのプレゼンテーションでは、「計算する粘菌と芸術について」というタイトルで、地球外生命体や人工知能のための芸術や人間と依拠しない芸術など、とても興味深いお話しをしていただきました。
人間の人間による人間のための芸術ではなく、地球外生命体や人工知能のための芸術というのは今までに考えたことのない観点で、とても衝撃的でした。

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サーチプロジェクトvol.4の会期も残りわずかとなりました。
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0628705.php
本展覧会もサイエンスとアートという異なる分野を合わせたハイブリッドな展覧会となっております。
展覧会場の粘菌たちも日々変化し、さまざまな表情を見せてくれます。
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皆さまのお越しをお待ちしております。

なかくぼ

粘菌と音楽の夜

2014年秋-冬に開催した鉄道芸術祭「音のステーション」会期中に行った関連イベント「公開ラジオ 『快音採取 世界の音旅』」のパーソナリティ・江南泰佐さんが再び!
テーマはもちろん「粘菌」!
 
梅雨の夕暮れにぴったりの、一夜限りのラジオ番組になりました。
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ラボカフェスペシャル×サーチプロジェクト関連企画
知と感性のネットワークシリーズ

公開ラジオ番組「快音採取 粘菌の音楽」
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0618753.php
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粘菌の音楽スタート.jpg

様々に姿を変える粘菌から連想して万華鏡の音楽、粘菌を用いた実験から生まれた音楽などなど。粘菌から妄想される江南さんセレクトの音楽が続きます。
前回の「快音採取」同様、今回もUstream配信を行い、Twitter、Facebook「#粘菌音楽」でお便りを募集しながら進行しました。

後半に入り、本日のカフェマスター、大阪大学教員の久保田さんを交えてラジオは続きます。
粘菌の音楽_後半.jpg
いま開催中のサーチプロジェクトvol.4「ニュー"コロニー/アイランド"島"のアート&サイエンスとその気配」のタイトル・展覧会の意図について江南さんから久保田さんへ質問が。
地下のコンクリート空間で何かを栽培できたら面白いのではないか、という企画会議でのアイデアから派生したサーチvol.4。
アートエリアB1が、中之「島」という地理的に孤立した特異な場所にあることもテーマの一つであることをお話されました。
アートとサイエンス。音楽とサイエンスも繋がるか。ということでここからはサイエンスを主題に、雰囲気ががらりと変わる選曲に。
徳島の阿波踊りを題材にした作品や、先週ラボカフェにお越しいただいた野村誠さん・やぶくみこさんの「瓦の音楽 musik genteng」から「粘土の協奏曲」など。
瓦のプロジェクトは淡路島・津井が舞台。こちらも島つながりです。瓦の可愛らしい音色が響きます。

最後は江南さんの粘菌へのファーストイメージ、久石譲で「風の谷のナウシカ〜オープニング〜」。
オープニング曲が締めくくり。驚きでしたが、形を変えて生き続ける粘菌の様に、また形を変えてラジオ番組があるのでは、、、と期待を感じずにはいられませんでした。

雨にも関わらず、会場にはたくさんの人にお越しいただき、ありがとうございました。
みなさん、思い思いに粘菌の音楽、楽しんでいただけたのではないでしょうか。

3月28日から開催しておりますサーチプロジェクトvol.4は会期残すところ10日を切りました。
仮設中之島培地の3Dモデルも密集度を増し、粘菌も華麗にネットワークを広げております。
今日の粘菌.JPG

今日の粘菌2.JPG
 
会期中に是非、お越しください。
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0628705.php

コニシ

おもしろい科学映画の世界

現在開催中のサーチプロジェクトでは、美しい粘菌の映像と写真に息をのんだ方もきっと多いはず。今回はその作者、科学映画の先駆的存在である東京シネマ新社の岡田一男さんをお呼びして科学映画の魅力についてお話ししていただきました。

 

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ラボカフェスペシャル×サーチプロジェクト関連企画

「ビジュアルとサイエンスの親密な関係」

http://artarea-b1.jp/archive/2015/0616752.php

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まずは、科学映画の歴史から語られました。

科学映画の動く現象を解析する手法から劇映画が誕生したのだそうです。

科学映画は映像文化の原点なのですね。

 

岡田さんと久保田さん

 

そして、次々と顕微鏡で見たカビなどの科学映像が紹介されます。

なんと美しい・・・!!

観客の皆様も、目が釘付けです。

通常、上からのアングルで撮ることが多いそうですが、横からのアングルで撮ったものもあり、上から見る姿形からの想像とはまた全然違うビジュアルで、

驚きと発見がありました。

 

科学映画1科学映画2

 

普段あまり目にしない、また機会があったとしても何気なく目にしている「目に見えないもの」の映像撮影にはとてつもない苦労が。

細胞を縦にカットして様子を捉えやすくしたり、目当ての現象を活発な状態で撮影するために二〜三週間常に細胞を生きのいい状態にしておく、薄いプレパラート上の生物に横や斜めから光を当てて見やすくする、などなど。(光に関しては劇映画も舞台も科学映画も原理は一緒!と仰っていました)

 科学映画3

科学映画の一番重要なことは「見えなかったことを見ることができるようにすること、そして伝えること」とのことでした。

アートエリアB1で、普段、私たちの目では見ることのできないミクロの世界をのぞいてみませんか?

 

イクタ

都市と島の考え方

6/13 ラボカフェスペシャル×サーチプロジェクト関連企画 知と感性のネットワークシリーズ 「都市が島であれば、海はどこにあるのか?」が開催されました。


風景会場

ゲストは文化人類学者、批評家の今福龍太さん。

カフェマスターはdot architectsの土井亘さん、大阪大学CSCD教員/アートエリアB1運営委員の木ノ下智恵子さん、久保田テツさん。

今回のサーチプロジェクトのテーマである「島」ということを軸に、お話をしていただきました。

今福さん1

主に、ご自身の著作である「群島響和社会〈並行〉憲法」をレジュメとして、「群島」と「大陸」の関係性、まず沖縄と本島のあり方などから話が展開していきました。


最初に、昨晩今福さんが今日のために書かれたという「手紙」を読まれるところからスタートしました。

今福さん手紙

手紙といってもPCで打ったものでもなければ、手書きでも白紙の便箋へただ真っすぐに書いてあるわけではなくて、書く前に事前に関係する文やイラストを印刷しておいて、それらの隙間に書き連ねていくというスタイルを取られていてとても凝ったものでした。(写真は印刷されたもので、お客様全員に配られています)

手描き以外の引用で印刷された文章は、音楽と同じくらい詳しいキノコ学者でもあったという音楽家ジョン・ケージの言葉や、今展覧会でも資料を設置している南方熊楠、そしてヘンリー・デビット・ソローの言葉がありました。その文章の近くにそれぞれの文章に対しての今福さんの言葉が連ねられています。

手紙とは言ってもなるべく文体を気にせず自由に。印刷された文章の隅に書くことから、すぐにやり直せるデジタルとは違うアナログの上書きで、今書いたことは引き受けて、むき出しにするのだと仰っていました。


今福さん2

そこから、群島響和社会〈並行〉憲法について。

約30年前に書かれた琉球共和社会憲法に対して、今福さんが書かれたのが群島響和社会〈並行〉憲法であり、「島」から「大陸」の原理をひっくり返す、唯一戦争で地上戦を経験した沖縄と本州の関係性、「群島」である沖縄と「大陸」化してしまった本州との関係から見る現代の在り方、生き方などについてをこの憲法を軸に語って頂きました。

いくつか抜粋されて、

一縞 意思

現代は欲望すら予測のもとに行動している。一番大事なのは予測でどうするかではなく自らの意思を持って何をしたいかを示す。意思の中心にあるのは人ではなく島宇宙である。

五縞 放擲

所有と放擲の関係性。個人で何かを占有するということから開放し、みなで共有して所有することは放擲(だれも所有していない)のと同じことで、それを一時的に誰かが使う。その状態がのぞましいのでは。不動産などは領土を「占有」するという大陸原理を個人で実行していることになるのではないか。

七縞 声

島唄は元々即興の掛け合いであり、それは配慮ある放擲である。

十縞 真似(まね)び=学(まね)び

歌などの身体的な真似びはどう頑張ってもコピーにはならず、必ず固有性が出てくる。画一的で合理的な教育ではなく、揺らぎのある学びがあるべき。

などなど、この一部の文章では説明しきれない、様々なことについて「郡島」から展開して興味深いお話をお話しいただきました。

今福さんの熱のこもったお話に、会場は静かにじっくりと耳を傾けていました。

今福さん3

土井さんからは建築方面からの見解として、建築も図面に書いた通りには建てられないし出来たとしても面白くない。いかに現場での即興性をチームで共有しつつ作っていけるかという憲法後半の予定調和に対するメッセージも。

その後、憲法の十一縞「秘密」という条項について。粘菌のようなものはカテゴライズ出来ないために気持ち悪がられるが、それは謎に満ちているということ。知性とは自分を隠すもので、全てを開示して差し出すものではない。あるものをパズルのように組み合わせているだけでは知性はやせ細ってしまう。

最後に木ノ下さんから、現在の見えなくなっている粘菌の状態が、今福さんの手紙にあったヘンリ・デビット・ソローの「真実が持つ胞子は無限なほどに数多く、まるで微細な煙のように精妙にできている。」という言葉によく現れているとの話がありました。

今回のトークのなかで、所有と放擲についての考え方がかなり大きく語られていました。とても興味深く、これからの現代社会の生き方にとても重要なように思えます。

キクチ

点が線となるつながり

ラボカフェスペシャル×サーチプロジェクト関連企画

知と感性のネットワークシリーズ
「もうひとつのネットワーク」が開催されました。

http://artarea-b1.jp/archive/2015/0603749.php

都市の工学的ネットワークとは異なる、信仰・修験道・地理・地勢がつくりあげる、

現在ではあまり見えなくなっている、もう一つのネットワークについて興味深い

お話しが繰り広げられました。

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ゲストは宗教人類学者の植島啓司さんと建築ユニットdot architectsの家成俊勝さん。

お二人とも独特の空気感をお持ちの何やら怪しげな(良い意味で)ジェントルマンです。

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植島さんが長年フィールドワークを続けられてきたネパール、タイ、インドネシア・バリ島、スペインなどの国々や、

世界遺産「熊野」をはじめとする国内各所の"聖地"を巡った経験をもとに、次々と語られていく植島ワールド、

そこに並走する家成さんの鋭く豊かな感性が相まってトークは盛り上がり、会場のお客様も食い入るように

聴き入ってらっしゃいました。

平日の水曜日。お客様の出足はどうかなと心配しておりましたが、

スタート間近になってご来場者はどんどん増えていき、スタートしてからも途中入場の方が多数。気がつけば、会場内は何かを知りたい、学びたいという方々の静かな熱気に包まれていました。

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「四国八十八ヶ所めぐり」という日本独特のネットワークについてのくだりでは、会場のお客様を巻き込みつつ様々な見解が会場内を飛び交っていました。

また、海を通して人のネットワークがつながっていくというお話しは想像と現実の狭間で思考をめぐらし、遥か昔まで思いを馳せる良い時間でした。

 改めて人の考え方は多岐に渡っていて、こういった場があることによって様々な意見を聞けて、視野が広がることは素敵なことだと思いました。

お客様の質問コーナーで、本イベントとは少し話はそれるものの、面白いお話がでました。

ロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト10」では一人で楽しむだけではなく、ネット環境を通じて

見知らぬ誰かと誰かがつながり、一緒にゲームが出来るようになっている。

これについてドラクエ好きの植島先生はどう思われますか?とのご質問。

「僕は一人でやるのが好きなのに、わざわざ他人とつながらなくてもいいと思っていましたが、

やってみると案外おもしろい」とのこと。質問者の方も実はドラクエ10をしてからひきこもり傾向が

なくなってきたということで、今や「もうひとつのネットワーク」がコミュニケーション形成の一助を担い

その仲間意識がお互いにとって相乗効果を醸し出す可能性がある。

とても興味深いなと思う一場面でした。

                クワノ

豆知識があると建築が楽しくなる

知っているようで知らない寺社建築について、歴史ある建築物についての面白さを豆知識を交えて清水さんにお話しいただきました。

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ラボカフェスペシャル×サーチプロジェクト関連企画
知と感性のネットワークシリーズ
「分かりやすい寺社建築」
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0522741.php
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寺社建築豆知識トークのはじまり.jpg
まずは寺社建築の造りや技法、そこから読みとれる歴史について。
みなさん真剣です。 

寺社建築ディスカッション.jpg

 後半は歴史的建築物の「見方」と「味方」についてみんなでディスカッション。
「近現代の建築のセミナーやトークイベントでは、こんなに色んな層の人が集まる場にはならない。古建築ならではではないか」との意見が出ました。
初めてアートエリアB1にお越しいただいた方・遠方からの参加者もおられ、地域ごとの特色についても知り、考えることができました。

アートエリアB1で開催中のサーチプロジェクトvol.4
「ニュー"コロニー/アイランド 〜"島"のアート&サイエンスとその気配〜」では会場奥に菌核を祀っている「菌核寺」があります。
「菌核」とは粘菌が休眠している状態のことです。 
自然そのものの粘菌
自然崇拝から始まった土着信仰が大陸からの仏教と交じりあう中で生まれた寺社建築を知ることは、文化そのものを味わうことなんですね。
 
サーチプロジェクトvol.4は、6月28日までの開催です。ぜひ
会期中に、展覧会場奥の菌核寺にお参り下さい。手を叩くと、何かが起こるかも知れません。

コニシ

  2017年4月

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