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今日、誰となにを食べて、なにを話しましょうか。(美術家・小山田徹さんトークプログラム)

4/23に開催した対話プログラムでは、サーチプロジェクトvol.5出展作家のお一人である、美術家の小山田徹さんをお迎えして、参加者の皆さんを交えて「食」にまつわることについての対話を行いました。

様々なところで対話の場所/機会をつくる活動をされている小山田さんは、東日本大震災で被災した宮城県女川町で対話工房という団体に参加され、地元の方々とともに色々なことを行いながら対話をする機会を作られています。

このプログラムは、小山田さんの作品《握り石》《巡礼》《実測図》が展示されている会場内「居間」エリアで開催しました。ソファに座りながら、皆さんとテーブルを囲んで話すことでゆったりとした、まるで親しい知り合いの家に来たかのようなアットホームな雰囲気が流れていました。

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まず最初に、小山田さんからこの対話の趣旨について「これが正しいとか、こうあるべきという結論を出さずに話す時間にしたいと思います。」という言葉がありました。
日々の生活にも、災害時という非日常的な状況にもなくてはならない「食」をテーマに、参加者の皆さんの思うこと、今考えていることをお話ししてもらい、それぞれが抱える悩みや現代の食を取り巻く状況に対する問題意識などを共有しながら、結論を急がず「食」にまつわる様々なことがらについて、話していきました。

参加者の皆さんからは「共同キッチンで料理を作り、みんなで食べること」「家族での食事であっても毎日の献立を考えることがプレッシャーになること」「拒食と過食について」「みんなでする餅つきが好きなこと」などといった話題が出ました。
そこからは、過剰包装や孤食、少々過剰な衛生面への意識など「食」を取り巻く社会的な問題や、現代にみんなで食事をする機会とその重要さなどへと話は繋がっていきました。

小山田さんから災害時に人が集まることと繋がりについてのお話も。
東日本大震災の時、避難所という非日常では、ただ食べること生活することが困難となり、お互いに協力し合わなければ生きていくことができませんでした。
その中で、食事や暖をとるために自然と焚き火が起こり、そこに集まってきた人たちが互いに話をする場が生まれ、みんなで話していくなかで、コックや看護師などそれぞれの職業を活かして協力し合うための仕組みが独自に出来上がっていきました。
こうした繋がり・仕組みができるかどうかは、それぞれの避難所の規模によって違っていたとのこと。
また、仮設住宅に移ると壁が出来たせいなのか、その繋がりは途絶えてしまったそうです。

そういった人との距離や繋がりから起こる問題を、対話する機会からゆっくりと考えていけるような活動を小山田さんはされています。
原発をはじめとした、難しい、すぐには答えの出ない問題がたくさんあるからこそ、対話をする機会をつくり、賛成と反対の二項対立ではない、違った考え方を探しながら「楽しく問いたい」、みんなで「美味しく食べたい」という小山田さんの言葉が印象的でした。


今回話題にのぼったどの問題も、人との繋がりが重要なポイントになってくるように思えました。
現代社会全体が"大量生産大量消費"の大規模なシステムに向かうとシステマティックにならざるを得ず、人と接する機会が減り、繋がりが薄くなっていっていることが根底にあるように感じます。
互いに顔が見える人数だとそれぞれがギブ&テイクで協力し合えるものの、大人数の「群衆」となってしまうと個人が感じられなくなり、またその群衆に対応するシステムへ社会全体が傾いているために個人に適応できない事が、問題として噴出しているように感じました。
そこを対話をすることで考えていこうという小山田さんの活動はとても人間的で、それぞれが少しずつでも良い方向へ進めるような、そんな対話になっていたと思います。

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小山田さんはこういった対話の機会を設ける時、本来は「焚き火」を囲んで行うそうです。このプログラムでは駅の中ということで焚き火は叶いませんでしたが、小山田さんの作品《握り石》を皆さんには握って貰いました。「たなごころが良い石」を握りながら話すと、不思議と話し口調が柔らかくなるというこの石を、トークの前に皆さんそれぞれに選んでもらい、握りながらの対話となりました。

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小山田さんには再度、5/20(金)サーチプロジェクト関連トーク「惑星地球の石を語る、惑星地質学者と美術家」に登場して頂きます。
日本洞窟学会会員でもある小山田さんと、サーチプロジェクトvol.5アドバイザーであり惑星地質学・鉱物学研究者でいらっしゃる佐伯和人さんとの「石」を巡る対談となります。
今回、石についてもお話したくてウズウズされていた小山田さん。(次回へ譲るということで今回は少なめでした。)
ぜひ次回もご期待下さい!

優しく、漫画でたたかう しりあがり寿さんの「"あの日"からの......」

この日のラボカフェスペシャルfeaturingサーチプロジェクトのゲストは出展者のお一人、漫画家のしりあがり寿さんでした。
東日本大震災の後、原発や被災地の事をテーマにマンガを描き続けてきたしりあがりさん。開催中のサーチプロジェクトvol.5では、
・戸惑って、その後笑って、支援する。ボランティア擬似体験できる《ボランティア顔出し》
・見えないものを可視化するマンガの手法「漫符」を用いた放射能の表し方を一般の人に描いてもらい、その漫符をクッションカバーにプリントした《放射能可視化》
・しりあがりさんが震災直後に震災から50年後の未来を描いたマンガからの一コマを子ども室の壁紙にプリントした《海辺の村》
の3作品が展示されています。

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ラボカフェスペシャルfeaturingサーチプロジェクト
「"あの日"からの......」

4月13日[水]19:30─21:00
ゲスト:しりあがり寿(漫画家)
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東北大震災以降、人々の心情を描き続けてきたしりあがりさんを迎えてのトークは、おのずと作品にも深く関わっている原子力発電の話題が中心になりました。

しりあがり寿さん「"あの日"からの......」①しりあがり寿さん「"あの日"からの......」②

代表作「真夜中の弥次さん喜多さん」「地球防衛家のヒトビト」の紹介から始まり、深刻な災害の最中に震災を題材にすることの難しさや、笑いの持つ攻撃性に言及されました。
当事者の方々にとってはマイナスに受け止められる可能性もあり、フランスで起きた風刺画を巡る問題にも絡めながらお話いただきました。
(出展作品であるクッションカバーにプリントした《放射能可視化》を手にお話をされるしりあがり寿さん)しりあがり寿さん「"あの日"からの......」③

しりあがりさんが広告メーカー勤務時代に、制作したCMに数件のクレームがきて映像を差し替えた、というエピソードを話していただきました。
ネット社会になり簡単に「個人の正義」が発信できるようになった今、クレームを受ける側は守りに入らざるを得ない状況が出来上がっていますが、クレームを受ける側ももう少しタフでいいのではないか、としりあがりさんは語ります。

会場からの質疑応答では、震災ボランティアに対する疑問や迷いの話も出ました。
受け入れ態勢の整っていない所に行くことは、現地の負担にならないだろうか?それでも行くべきだろうか。との問いかけに、「偽善と言われることを恐れるあまり、色々なことを考えてしまうけれど、善は偽善の中に含まれることだから、行けばいいんだよ。でも、行かなくてもいい。」という正しいか間違っているかで結論を出してしまわない、しりあがりさんらしいコメントを聴くことが出来ました。

しりあがり寿さん「"あの日"からの......」④会場からの質問では更に、「火力発電と原子力発電、どっちがいいですか?」とのストレートな質問もありましたが、
賛成か反対かで答えを出すのではなく、それぞれが異なる意見を出し合える、ラボカフェらしい貴重なトークだったと感じました。

しりあがり寿さん「"あの日"からの......」⑤

災害碑から受け継がれる時間と災害の記憶(街の災害碑を巡るツアー)

ただいまアートエリアB1で開催中の企画展・サーチプロジェクトvol.5「ニュー "コロニー/アイランド"2 〜災害にまつわる所作と対話〜」。その展覧会にアドバイザーのお一人としてご参画頂いている、民俗学者の川島秀一さん(東北大学災害科学国際研究所 教授)をナビゲーターに、土地に刻まれた災害の記憶である「災害碑」を巡るツアーを4月9日に開催しました。

晴天に恵まれた当日。一行は、JR大正駅をスタートして、浪速区「大正橋」〜西区九条地域の3箇所の災害碑を見てまわりました。

1箇所目は大正駅から歩いて5分ほどの、大正橋のたもとにありました。

「大地震両川口津波記」

街の災害碑を巡るツアー/大地震両川口津浪記

この石碑は、安政元年(1854年)に発生した地震とそれに伴う津波の犠牲になった人々の慰霊と、そのときの教訓を後世に語り継ぐことを目的に建てられています。

碑文には、地震の後、船に避難した人々が津波の犠牲になったこと、この地震の148年前に起こった宝永地震(1707年)にも同じことがあったのにその教訓を活かすことができなかったことが記されています。さらに碑文の最後には、「津波のことを忘れないように、碑文に毎年墨入れをしてください」ということが書かれています。その碑文の意思を受け継ぎ、この地域では、毎年8月の地蔵盆の時期に地域の方々によって碑文への墨入れが行われています。碑文の文字が黒ずんでいるのはこのためです。

災害に限らず、街の記憶が石碑として残っている例はよくありますが、こうして人々の行為を伴うことで石碑とともに建碑の精神が受け継がれているのは、全国的にも稀有な例です。

2箇所目はそこから25分ほど歩いたところ、西区九条にありました。

「昭和九年九月二一日関西風水害浸水々水位標」

街の災害碑を巡るツアー/昭和九年九月二十一日関西風水害浸水々水位標

昭和9年(1934年)の室戸台風上陸時の浸水水位が刻まれています。現在の街の景色からは到底ここまで浸水が起こっていたとは想像もつかないような場所ですが、災害は我々の予想を超えた規模で襲ってくることが分かります。

この石碑は1つ目のものと異なり、石碑そのものは、国旗掲揚のための基部として建てられたものです。右の石碑に「創立十五周年記念」と書かれてありますので、かつてこの辺りにこの石碑まつわる建物か何かがあったのかもしれません。しかし、現在はそれを伺い知ることの出来るものは何も残っておらず、石碑のみが取り残されてしまったためか、石碑が示す内容も語り継がれることはなく、今では自動販売機のゴミ箱が石碑の横に置かれているような状況でした。

(写真は、この石碑を初めてご覧になった川島さんが調査を兼ねて採寸中の風景です)

街の災害碑を巡るツアー/昭和九年九月二十一日関西風水害浸水々水位標

最後は、2箇所目から2分ほど歩いた地下鉄「九条駅」の駅前、九条東小学校正門横の外壁にありました。

「暴風水害記念誌」

街の災害碑を巡るツアー/暴風水害記念誌

こちらは昭和9年の室戸台風にまつわるレリーフです。銅板には、「突風と高波が大阪を襲い、死者990名、重軽傷者16,908名にも上った」ということが記されています。室戸台風上陸時、多くの学校はまだ木造であったため、校舎の全・半壊が99校、大破が77校、殉職教員7名、児童の死者数は269名にも上りました。

しかし、この碑文を読むと、九条小学校では一人の死傷者も出さなかったそうです。

この碑は、奇跡的に全校児童と教職員が助かった、という記録を伝えるもののようです。

碑文の横には、濁流の中、教師らしき人物とその人に守られているような子どもたちの姿が描かれていました。

街の災害碑を巡るツアー/暴風水害記念誌

人の営みからすれば、巨大地震や津波は、一生に一度遭遇するかどうか、というスパンです。しかし地球の営みからすれば、それは必ず起こります。

街なかにひっそりと佇む災害碑は、人類が災害とともに生きるために築いたひとつの知恵ではないでしょうか。

このツアーでめぐった石碑以外にも、災害碑は全国各地に存在するようです。日々の生活に追われ、見過ごしている景色の中に、このような街の記憶、災害の記録を伝えるものがあるかもしれません。そこから地域の歴史を知り、先人たちの声を聴き、それを受け取って現代の言葉でさらに後世に伝えていくことは、もうひとつの「防災」として必要なことなのかもしれません。

そして、今回のツアーをきっかけに、なぜこの場所に石碑が建てられたのか、かつてこの辺りはどのような地形だったのか、ということに思いを巡らすことは、とても新鮮で貴重な出来事でした。

惑星地質学・鉱物学研究者と民俗学者に聴く、地球と災害

ただいま開催中の企画展・サーチプロジェクトvol.5「ニュー "コロニー/アイランド"2 〜災害にまつわる所作と対話〜」では、惑星・地球に位置する日本列島そのものや地球の営みから起こる「災害」をテーマにしています。
"地殻変動などの地球の営み"として災害を捉える視点のアドバイザーとして、惑星地質学・鉱物学研究者の佐伯和人氏(大阪大学大学院理学研究科 准教授)を、"自然からの恩恵を受けて生きる人々の営み"から災害を捉えるためのアドバイザーとして、民俗学者の川島秀一氏(東北大学災害科学国際研究所 教授)をお迎えしています。

そのお二人にゲストにお越しいただいたラボカフェスペシャルfeaturingサーチプロジェクト「地球と人の営みから見えてくる災害」を4月9日に開催しました!

トークはお二人の研究内容の紹介からスタートしました。

川島先生の研究について①川島先生の研究について②

まずは川島先生の、民俗学者としての「災害」から。
私はこれまで、各地に残る「災害碑」は「この地で起こった悲しい/大変な出来事を忘れないためのもの」と単純に捉えていましたが、その中には、未来へ向けてのメッセージとしての「記念碑」と災害で亡くなった方への供養として建てられている「供養碑」があること、そして碑を建てて終わりではなく、忘れないために毎年行事が行われている地域もあることを知りました。
民間伝承や海に生きる漁師の伝承には、個人的ではあるけれど一人ひとりの経験に基づいた言い伝えであり、自然と共に生きてきたからこその判断がたくさん含まれている。と語る川島先生。防災マニュアルが機能しなかった、避難警報のレベルが間違っていたのではないか、などと災害の際のニュースでよく問題視された声が上がりますが、災害・自然そのものを見ずに作られる、机上のマニュアルには多くの危険性がはらんでいることを実感しました。
都市は自然を覆い尽くしているからこそのリスクがある。という川島先生の言葉が、とても印象的でした。

佐伯先生の研究について①

佐伯先生の研究について②

続いて佐伯先生。地質学者としての「災害」とは。
災害多発地帯と言われる日本。なぜ災害が多いのか、地震が多いのかということを地球のつくりから分かりやすく解説していただきました。
地球の営みの中で、起こるべくして起こる自然災害。他の星ではなく、地球がひとつの生命体のように、常に動いているからこその災害は、地球である以上、欠かせないことでもある──。

対談①

対談②

最後に、お二人と、進行役のカフェマスターを交えてのトーク、さらに参加者のみなさんからの質問もいただきました。

東北大震災から5年が経ち、震災を風化させてはいけない。と言われることもあるが、実際の被災者や大切な人を失った側からすると、忘れたくても忘れられない爪痕を残していく災害。
研究結果としての健康被害から、そこで暮らすことを認められないが、大切な人たちと過ごした故郷がいきなり「暮らせない場所」と言われても離れることが出来ない人に対しての「正しい答え」はあるのでしょうか。
研究内容・視点の異なるお二人から、自然・地球を「知ること」、自然が制御できるものではないと理解することの重要さを伺いました。

「災害にまつわる所作と対話」の3週間

今日から4月。サーチプロジェクトvol.5「ニュー "コロニー/アイランド"2 〜災害にまつわる所作と対話〜」が始まってから早3週間が過ぎました。

2日前から、米田知子さんの作品《川(両サイドに仮設住宅跡地、中央奥に震災復興住宅をのぞむ)》の展示が始まりました!
1軒の家に見立てた展示場の導入部分、[ポーチ]から見える景色のようなイメージで、展示しています。

サーチプロジェクトvol.5 会場風景(玄関)米田知子《川(両サイドに仮設住宅跡地、中央奥に震災復興住宅をのぞむ)》2004年 神戸

エントランスにもウェルカムバナーを設置し、家をバックに顔出しパネルでの記念撮影がしやすいよう、少し配置替えを行いました。
記念撮影の際は是非スタッフにお声がけください。

会場入口記念撮影をどうぞ

映像作品が多いこともあり、ソファに腰掛けたり畳に上がったり、ゆっくり鑑賞している方を見かけることが多く、とても嬉しいです。
この家で出会った他の来場者さんやアートエリアB1のスタッフと、作品について、災害について、思ったことを話してみて下さい。
他者と話すことで広がり深まる考えを楽しんでいただければ幸いです。

会場内、リビングのテーブルにはノートを置いています。
話すのはちょっと、、、という方、他の来場者のコメントを見て何か思った方、鉛筆を手にとって下さい。対話する方法も、会期中に探っていきたいと思います。

サーチプロジェクトvol.5「ニュー"コロニー/アイランド"2〜災害にまつわる所作と対話〜」開幕

アートエリアB1の春の企画展「サーチプロジェクト」のvol.5として、「ニュー "コロニー/アイランド"2 〜災害にまつわる所作と対話〜」が3月11日よりスタートしました。

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「サーチプロジェクト」はアートエリアB1を活用して、アートや知の可能性を探求(=search)する企画展で、2011年よりスタートしました。今回の展覧会では、惑星・地球に位置する日本列島そのものや地球の営みから起こる「災害」について着目します。

本展では、地殻変動などの地球の営みと、自然からの恩恵を受けて生きる人々の営みから災害を捉えるため、惑星地質学・鉱物学研究者の佐伯和人氏(大阪大学大学院理学研究科 准教授)と、民俗学者の川島秀一氏(東北大学災害科学国際研究所 教授)をアドバイザーにお迎えしています。

会場では、当館を1軒の家に見立てて展示環境を構成し、災害にまつわる様々な事象に向き合いながら生み出された作品やプロジェクト、過去の災害に関する資料を様々なメディアに変換して日常生活の空間に配置しています。(展示内容の詳細は、本ブログでも少しずつご紹介していきたいと思います)

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【出展者・出展内容、展示資料一覧】

畠山直哉(写真家)
《陸前高田》2011-2015、映像 (46:58)

米田知子(写真家)※3月末より展示予定
《 川(両サイドに仮設住宅跡地、中央奥に震災復興住宅をのぞむ)》 2004、写真データをもとにバナー出力(予定)

しりあがり寿(漫画家)
《ボランティア顔出し》2011
《海辺の村》2011、イラストデータを元に壁紙出力
《放射能可視化》 イラストデータを元にファブリックに出力

加藤翼(アーティスト)
《Abandon (South Dakota)》2013、写真

鉄道の記録(提供:京阪電車)

ジョルジュ・ルース「廃墟から光へ」1995、映像 (28:00)
(制作:Ufer! Art Documentary 監督:岸本 康)

「大阪府風水害誌」(出典:大阪府発行物)

contact Gonzo(アーティスト)
《shelters》2008(2015 再編集)、映像(20:00)

小山田徹(美術家)
《握り石》石、《実測図》ドローイング、《巡礼》写真

高嶺格(現代美術家、演出家)
《ジャパン・シンドローム 関西編》2011、映像(31:00)
《ジャパン・シンドローム 山口編》2012、映像(48:00)
《ジャパン・シンドローム 水戸編》2012、映像(49:00) 

3 がつ 11 にちをわすれないためにセンター(せんだいメディアテーク)
「わすれン!レコード」2015
「3 月 12 日はじまりのごはん」2014-2015
「活動報告冊子」2015 
ホンマタカシ(写真家)
《その森の子供》2011、写真 
《アフンガッラホテル》2016、映像 (1:40:00) 

中之島まちみらい協議会
「中之島地区防災お役立ち情報サイト」 

対話工房
「女川カレンダー/対話新聞」
「海の記憶と対話/ソルトサンプリング&マッピング」
「女川町出島浜呼称地図」

志賀理江子(写真家)
《螺旋海岸》2012 

漁師の伝承 川島秀一(本展アドバイザー)より

「地球の箱庭」 佐伯和人(本展アドバイザー)より

※その他、本展アドバイザー(川島氏・佐伯氏)からの情報をもとに、漁や火山活動に関するグッズなどを展示。

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3月11日の初日には、「"災害にまつわる所作と対話"の一日目」と題して、当館運営メンバーによるギャラリーツアーが開催されました。

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本展では、会期を通して様々な対話プログラムを開催します。展示と関連プログラムを通じて、惑星地質学や災害文化などの研究者、アーティストや公共施設、そして"わたしたち" が集い、ともに災害にまつわる所作について考え、この日本列島という"島" に生きることについて、向き合う機会をつくりたいと考えます。

最後に、

東日本大震災、阪神・淡路大震災、新潟県中越沖地震、御嶽山噴火、さらに過去の災害で亡くなられたすべての方々のご冥福をお祈り申しあげます。

 

『アート&サイエンス「ニュー"コロニー / アイランド"」のその先へ』

日々さまざまに会場の状況が変化し、多種多様なトークプログラムを開催しながら3ヶ月間に渡って開催してきた「ニュー"コロニー/アイランド"」もいよいよ628日に閉幕。

その前日、本展のプロジェクトメンバーと企画を立ち上げたアートエリアB1運営メンバーが勢ぞろいして、締めくくりとなるクロージングイベントを開催しました。

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ラボカフェスペシャル×サーチプロジェクト関連企画
知と感性のネットワークシリーズ
クロージングトーク 『アート&サイエンス「ニュー"コロニー / アイランド"」のその先へ』
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0627755.php
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出演メンバーはこちらです。
ゲスト:上田昌宏(大阪大学理学研究科教授)
    中垣俊之(北海道大学電子科学研究所教授)
    dot architects(建築ユニット)
    yang02(アーティスト)
    稲福孝信(アーティスト、プログラマー)
カフェマスター(進行):木ノ下智恵子、久保田テツ(大阪大学CSCD教員、アートエリアB1運営委員)
          塚原悠也(ダンスボックス、アートエリアB1運営委員)

 

トークの前に、まずはプロジェクトメンバー全員でギャラリーツアーを開催。アーティスト、建築チームそれぞれが担当した部分を紹介しながら展示全体の概要を説明していきました。
今回の展覧会では、「アーティストと作品」というかたちはなく、企画趣旨に対してプロジェクトメンバーがそれぞれの分野で尽力しコラボレートして展覧会ができあがっています。

 サーチ4クロージング1

 サーチ4クロージング2

 

トーク前半では、研究者として本展にご参画いただいた上田昌宏さん、中垣俊之さんにそれぞれの研究についてご紹介いただきました。

北海道大学の中垣俊之さんは、本展のために粘菌の培養方法を伝授してくださり、また、本展で培養した「キイロモジホコリ」をご提供くださいました。
北海道大学電子科学研究所の教授であると同時に、「単細胞地位向上委員会」の会長であられる中垣さん。今回のレクチャーでは、ご自身の研究対象であられる「キイロモジホコリ」が含まれる「真正粘菌」の生態をご紹介くださいました

サーチ4クロージング3

彼ら(彼女ら?)は、どういった特性をもっていて、どのように生きているのか。
知性を持っているという粘菌は、迷路を解くことができるといわれています。
その方法は、粘菌が迷路全体を埋め尽くしたあと、最後に一番短いルートだけを残して他の通路にいる部分は撤退していくというものです。

粘菌はそうして最適なルートを探し出します。中垣さんが行った東京の地形を再現した実験では、駅のある場所へ粘菌と餌を置いてやると実際の鉄道網とほぼ同じ形をしたルートをつくったそうです。

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そのような「知性」が注目されている粘菌ですが、単細胞生物である粘菌は、「切っても切っても粘菌、くっつけてもくっつけても粘菌」だそうで、「自分と他者」という存在がない生き物です。

そして、実験に用いられた黄色いアメーバ状の状態(変形体)は、粘菌の姿のひとつでしかなく、子実体となり、胞子となり風にのって飛んでいくのも粘菌の姿です。

今回の展覧会でも、中之島の形をした培地の上で、粘菌がくっついたり離れたり、そして子実体になり胞子になり、と様々な姿を見せてくれました。

 

続いては、大阪大学の上田昌宏さんによるレクチャー。上田さんが研究されているのは、キイロモジホコリとは異なる種類の「細胞性粘菌」です。

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キイロモジホコリなどの真正粘菌よりもずっと微小な細胞性粘菌は、「くっつけてもくっつけても粘菌(単細胞)」の真正粘菌とは異なり、飢餓状態に陥ると細胞が集まり、多細胞体制になって子実体をつくって胞子となります。(例えていうと、米の形がなくなり全体が同一化した餅と、米の形を残したまま一体化したおにぎりのような感じでしょうか)

細胞が集まる際、細胞から化学物質が放出され、それに同調するように周囲の細胞が集まってきます。そこから子実体に変化する時、植物でいう茎にあたる部分となりやがて死んでいく細胞と、実になり胞子となって生き延びる細胞とに分かれます。全体の約20%の細胞は、残りの80%の細胞を生かすために死んでいくそうです。

このように、個々の細胞が役割をこなすことで生き延びるため、社会的な生物というふうにも言われています。

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様々に姿を変えながら、動物とも植物ともつかない曖昧で不確かな粘菌の生き方は、我々人間の目から見ると、とても合理的で潔くも見えます。
今回の展覧会では、上田さんの粘菌に対する考えから多くの重要なキーワードをいただきました。それらの言葉は、会場のキャプションに表され、来場者を導く言葉になっていたと同時に、本展の内容を様々な分野に開く(繋げる)キーワードになっていたようにも思います。

(展覧会場のキャプションに表された上田さんの言葉)
「生き続けていれば間違いでもよい」「無限のバリエーション」「1回も死んでない」「多様な性とマッチング」「閉じるのではなく、開いている状態」「マシンは最適解を目指している」「プログラムできないことに対応するためにプログラムされている」「進化のスピードは早い」

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さて、トーク後半は、プロジェクトメンバー、アートエリアB1運営メンバー、そして客席を巻き込んでのディスカッションとなりました。

サーチ4クロージング6

アーティスト、建築家、研究者がタッグを組んだ今回の展覧会。
それぞれの知恵と知識と技術を集結させた展覧会であることは言うまでもないですが、この出会い自体がとても重要な出来事でもありました。
後半のトークのなかで印象的だったのは、上田さんがこのメンバーと出会えたことが面白かったと仰られていたことや、今回の企画が初対面だったにもかかわらず、クロージングトークのなかでは、上田さんがyang02さんの活動を紹介する、という場面があったことでした。

プロジェクトメンバー同士の出会いが様々なアイデアを芽吹かせ、展覧会ができ、さらにそこから新たな知見が生まれた今回のサーチプロジェクトvol.4「ニュー"コロニー/アイランド" ~"島"のアート&サイエンスとその気配~」。展覧会はこれで終了しますが、この軌跡は記録集として出版予定ですので、ぜひご期待ください。

また、プロジェクトメンバーはじめ、展覧会のトークにご出演いただいたゲストの皆様の今後の活躍にもぜひご注目ください。

最後に、展覧会、トークプログラムにご来場いただいた皆様、本展開催にあたりご協力いただいた皆様にお礼申し上げます。

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サーチプロジェクトvol.4「ニュー"コロニー/アイランド 〜"島"のアート&サイエンスとその気配」

プロジェクトメンバー:
上田昌宏(大阪大学理学研究科教授) 
中垣俊之(北海道大学電子科学研究所教授) 
dot architects(建築ユニット)
yang02(アーティスト)
稲福孝信(アーティスト、プログラマー)

トークゲスト(開催順):
西川勝(大阪大学CSCD教員)
岡村淳(映像作家)
清水徹(一級建築士事務所アトリエ縁代表)
福島邦彦(ファジィシステム研究所特別研究員)
畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)
植島啓司(京都造形芸術大学教授)
今福龍太(文化人類学者、批評家)
岡田一男(東京シネマ新社代表取締役)
江南泰佐(作曲家、鍵盤演奏者、快音採取家)
久保田晃弘(アーティスト、多摩美術大学情報デザイン学科教授)
原正彦(東京工業大学大学院総合理工学研究科教授)

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キクチ、川口

サーチ最終週!

3月28日から3ヵ月に渡る、アートや知の可能性を探求(=search)する企画展「サーチプロジェクト」のvol.4「ニュー"コロニー/アイランド"~"島"のアート&サイエンスとその気配~」http://artarea-b1.jp/archive/2015/0628705.phpが最終週に入りました。
そして今週とうとう、中之島培地のすべてのグリッドに粘菌のネットワークが到達しました!

中之島培地を覆う粘菌1.JPG中之島培地を覆う粘菌2.JPG 

展示場内の丸柱が鳥居となり、ビニールテントが張られた中には3Dプリンターが置かれ、椎茸栽培用の原木が組まれ、霧吹きは自動で霧を吹き続ける。
ハイテクのようで、アナログなような。非現実的な空間に白衣を着て立つ。
それが「サーチプロジェクトvol.4」の第一印象でした。

粘菌培地となる「中之島仮設空間」には最初は3Dモデルも粘菌もいない土が広がり、壁面にプロジェクションしている「中之島仮想空間」にはシンプルな空間にアバターが歩いていました。

そんな、非現実的でシンプルな空間に、ワークショップで参加者のみなさん・スタッフのスケッチから生まれた、バグ/ノイズを含んだ画像が「仮想空間」にGPSデータを元に配置され、その画像の3Dモデル化したものが次々に「仮設空間」に置かれていく。それを縫うように粘菌がアメーバ状に広がり、覆い、姿を変える。
日々刻々と姿を変え、リアリティが加わり、一つの生き物のような展示空間になりました。
仮想空間.JPG

粘菌としいたけ.JPG 
映像が動くだけでなく、全体が微動しているような展示。
通りがかりに立ち寄られた方が、その後何度も来られたり、長い時間滞在していただけたり。
見るタイミングによって、見る人によって、様々な印象を持たれたと思います。
粘菌をスケッチする.JPG 
日々の粘菌の変化を、スタッフみなで観察スケッチしています。
過去のスケッチと比較出来るよう、トレーシングペーパーに描いて重ねて展示しています。
会場お越しの際は、過去のものもめくって、ご覧いただけると嬉しいです。 

会期終了まであと5日。関連プログラムも27日のクロージングトーク『アート&サイエンス「ニュー"コロニー / アイランド"」のその先へ』を残すのみとなりました。
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【6月27日16:00〜19:00 クロージングトーク『アート&サイエンス「ニュー"コロニー / アイランド"」のその先へ』】
プロジェクトメンバーとともに、約3ヶ月間におよぶ本展の実験と実践の軌跡を辿り、会期中に開催した多彩なゲストトークで得られた知見や感性を踏まえ、アート&サイエンスの可能性について語り合います。
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0627755.php
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アートエリアB1にて、お待ちしております!

コニシ

ハイブリッドなトーク

ラボカフェスペシャル×サーチプロジェクトvol.4の関連企画として、トーク「生物と工学と藝術〜ハイブリッドの創造性〜」が開催されました。
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ラボカフェスペシャル×サーチプロジェクト関連企画
知と感性のネットワークシリーズ

「生物と工学と藝術〜ハイブリッドの創造性〜」
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0619754.php
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「粘菌コンピュータ」の研究・開発者である原正彦さんとバイオアートなどの分野で活躍されているアーティストの久保田晃弘さんをゲストにお迎えしての本イベントは、まさに生物と工学と芸術を融合したハイブリッドなトークイベントとなりました。
異なる分野を専門にされているお2人によるハイブリッドなトーク、観客の皆さんも楽しんでいただけたのではないでしょうか。

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原正彦さんのプレゼンテーションでは、自己組織化、時空間機能、揺律創発をキーワードに、「粘菌コンピュータ」についてお話ししていただきました。
現在のコンピュータは正確な答えを出すことができる代わりに、想定外やノイズに弱く、情報量が多いと処理にとても時間がかかってしまいます。しかし、「粘菌コンピュータ」は情報量が多くても、現在のコンピュータのように情報爆発を起こさずに、平均よりもそこそこ良い答えを出すことができます。

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久保田晃弘さんのプレゼンテーションでは、「計算する粘菌と芸術について」というタイトルで、地球外生命体や人工知能のための芸術や人間と依拠しない芸術など、とても興味深いお話しをしていただきました。
人間の人間による人間のための芸術ではなく、地球外生命体や人工知能のための芸術というのは今までに考えたことのない観点で、とても衝撃的でした。

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サーチプロジェクトvol.4の会期も残りわずかとなりました。
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0628705.php
本展覧会もサイエンスとアートという異なる分野を合わせたハイブリッドな展覧会となっております。
展覧会場の粘菌たちも日々変化し、さまざまな表情を見せてくれます。
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皆さまのお越しをお待ちしております。

なかくぼ

粘菌と音楽の夜

2014年秋-冬に開催した鉄道芸術祭「音のステーション」会期中に行った関連イベント「公開ラジオ 『快音採取 世界の音旅』」のパーソナリティ・江南泰佐さんが再び!
テーマはもちろん「粘菌」!
 
梅雨の夕暮れにぴったりの、一夜限りのラジオ番組になりました。
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ラボカフェスペシャル×サーチプロジェクト関連企画
知と感性のネットワークシリーズ

公開ラジオ番組「快音採取 粘菌の音楽」
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0618753.php
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様々に姿を変える粘菌から連想して万華鏡の音楽、粘菌を用いた実験から生まれた音楽などなど。粘菌から妄想される江南さんセレクトの音楽が続きます。
前回の「快音採取」同様、今回もUstream配信を行い、Twitter、Facebook「#粘菌音楽」でお便りを募集しながら進行しました。

後半に入り、本日のカフェマスター、大阪大学教員の久保田さんを交えてラジオは続きます。
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いま開催中のサーチプロジェクトvol.4「ニュー"コロニー/アイランド"島"のアート&サイエンスとその気配」のタイトル・展覧会の意図について江南さんから久保田さんへ質問が。
地下のコンクリート空間で何かを栽培できたら面白いのではないか、という企画会議でのアイデアから派生したサーチvol.4。
アートエリアB1が、中之「島」という地理的に孤立した特異な場所にあることもテーマの一つであることをお話されました。
アートとサイエンス。音楽とサイエンスも繋がるか。ということでここからはサイエンスを主題に、雰囲気ががらりと変わる選曲に。
徳島の阿波踊りを題材にした作品や、先週ラボカフェにお越しいただいた野村誠さん・やぶくみこさんの「瓦の音楽 musik genteng」から「粘土の協奏曲」など。
瓦のプロジェクトは淡路島・津井が舞台。こちらも島つながりです。瓦の可愛らしい音色が響きます。

最後は江南さんの粘菌へのファーストイメージ、久石譲で「風の谷のナウシカ〜オープニング〜」。
オープニング曲が締めくくり。驚きでしたが、形を変えて生き続ける粘菌の様に、また形を変えてラジオ番組があるのでは、、、と期待を感じずにはいられませんでした。

雨にも関わらず、会場にはたくさんの人にお越しいただき、ありがとうございました。
みなさん、思い思いに粘菌の音楽、楽しんでいただけたのではないでしょうか。

3月28日から開催しておりますサーチプロジェクトvol.4は会期残すところ10日を切りました。
仮設中之島培地の3Dモデルも密集度を増し、粘菌も華麗にネットワークを広げております。
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会期中に是非、お越しください。
http://artarea-b1.jp/archive/2015/0628705.php

コニシ

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