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「"情の時代" から考える〜あいちトリエンナーレ2019〜」
プロジェクト・ミーティング

2000年代から全国各地で開催されるようになった芸術祭やトリエンナーレ・ビエンナーレ。その中でも国内最大級の規模を誇り、毎回ユニークなコンセプトで成功を収めている芸術祭「あいちトリエンナーレ」。4回目となる2019年度のテーマは、「情の時代Taming Y/Our Passion」です。

今回のラボカフェでは、芸術監督を務められる、ジャーナリスト/メディア・アクティビストの津田大介さんにお越しいただきました。

5/29 プロジェクト・ミーティング「"情の時代" から考える〜あいちトリエンナーレ2019〜」ゲスト:津田大介さん

芸術監督からじきじきにお話を聞ける貴重な機会ということで、定員を大きく上回るみなさまにご参加いただきました。

 

「情の時代Taming Y/Our Passion

今回のテーマは「情」。

世界が情報メデイアによってどんどん感情的になりつつあることへの危機感がきっかけだったと言います。情には幾つかの意味があり、「感情によるこころのうごき」「実情、情報など本当の姿」「なさけ」など、かなり多義的です。昨今の状況を考えたとき、こうした複合的な意味合いをもつことばがふさわしいということで「情の時代」に決定しました。

そんな時に飛び込んできたのが、2018年の東京医科大の女子受験生が一律減点されていたというニュースでした。津田さんは先進国で客観的と思われていたペーパーテストで男女差別が行われていたことに強い衝撃を受け、アート業界の男女比について改めて調べてみたところ、そのバランスに愕然としたといいます。

 5/29 プロジェクト・ミーティング「"情の時代" から考える〜あいちトリエンナーレ2019〜」ゲスト:津田大介さん 

アート業界は男女平等?

学芸員、キュレーター、美大生などは圧倒的に女性が多い領域です。そのため、アート業界は女性が活躍している領域であると当初、津田さんは思っていたそうです。ところが調べる中で判明したのは、館長クラスや美術館に作品が多く収蔵されている作家、大学教員になると、男女比がきれいに逆転しているという事実でした。

この背景には男性教員が多く、作品制作の助手として男子学生が選ばれやすく、女子学生がゼミに所属しづらい状況や、管理職となると女性進出が難しい状況があることがわかりました。

この状況を知り、現代で芸術祭をやるのであれば、一部のアートファンだけに意味があるものではなく、社会全体に対して「共生」「アファーマティブ・アクション」として打ち出したいと考え、選定作家の男女同等を掲げることにしました。ちょうど、100年以上の歴史を持ち文化のオリンピックと言われる今年の芸術祭のヴェネツィア・ビエンナーレにおいても選定作家の男女比が同数であることが表明されており、追い風になったと言います。

「大きな芸術祭がはっきりと数の平等を打ち出すことで、美術業界や、今後の芸術祭はそのことを意識せざるを得なくなっていくのではないか」とのこと。

芸術祭がこうした社会の動きを取り入れて新たな手法で内容を構成することで、これまでにない芸術祭に挑戦するという点で非常に意義のあることだと感じました。

5/29 プロジェクト・ミーティング「"情の時代" から考える〜あいちトリエンナーレ2019〜」ゲスト:津田大介さん

ラボカフェ後半では、会場からの多くの質問もいただき、参加者のみなさんが津田さんのお話をうけ、ひとりひとりが「情」や「芸術祭のあり方」について考えを巡らせていることが伝わってきました。

あいちトリエンナーレは8/1〜開催予定です。開催地の名古屋は大阪からは新幹線で1時間かからない距離です。ぜひ足を運んで現代のわれわれを取り巻く状況に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

 

「あいちトリエンナーレ2019」開催概要

テーマ:情の時代 Taming Y/Our Passion
会期:2019年8月1日(木)~10月14日(月・祝) [75日間]
芸術監督:津田大介 ジャーナリスト/メディア・アクティビスト
会場:愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、名古屋市内のまちなか(四間道・円頓寺)、 豊田市(豊田市美術館及び豊田市駅周辺)

▶︎参加アーティストなどの詳細は「あいちトリエンナーレ2019」ウェブサイトからご確認ください。

 

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