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「水の都・大阪の川と海は、きれい?汚い?」
ラボカフェスペシャル featuring 鉄道芸術祭vol.8

 2019.1.17(B1事務局 江藤)

11月から始まった鉄道芸術祭vol.8の期間中には、都市に関連した様々な観点のラボカフェを開催してきましたが、今回は大阪大学大学院工学研究科准教授の入江政安さんにお越しいただき、"水の都"と呼ばれる大阪の水についてお話をしていただきました。 入江さんの研究は土木の分野で、普段は大地震などで津波が起こった際にコンテナや石油コンビナートのタンクなどがどのように漂流するのかをシミュレーションし、天気予報などの最新の気象情報と組み合わせて実際に生かすための研究をされています。

1/17 鉄道芸術祭vol.8「水の都・大阪の川と海は、きれい?汚い?」ゲスト:入江政安さん(大阪大学大学院工学研究科 准教授)

ラボカフェスペシャルfeaturing鉄道芸術祭
「水の都・大阪の川と海は、きれい?汚い?」
1月17日[木] 19:00ー20:30
ゲスト 入江政安(大阪大学大学院工学研究科 准教授)

まず、大阪の水と人との関係について、明治28年の水道の敷設までの大阪の風景を、四天王寺の伽藍配置から落語で語られる場面まで幅広く紹介してくださいました。上方落語『矢橋船』『三十石』『百年目』などで登場する淀川は、ゆったりした流れを想像させます。流れが緩やかな分、水運が非常に発達してきました。大阪の代表的な川である淀川と大和川のつけ替えは、大阪の都市計画に大きな影響を与えたといいます。大和川のつけ替えによって、天然の良港だった堺の河口に土砂が積もって港の機能が悪化してしまったという経緯もあります。そういえば、ここ中之島も江戸時代の地図を見ると東側の先端の位置がもっと西側にあったのを思い出しました。このように川が流してくる土砂が大阪の地形を変えて、都市の機能を変えてきました。

1/17 鉄道芸術祭vol.8「水の都・大阪の川と海は、きれい?汚い?」ゲスト:入江政安さん(大阪大学大学院工学研究科 准教授)

さて、現在の大阪の川はどうかといいますと、BOD(生物化学的酸素要求量)という水の汚染度の基準になる数値で比較してみると、清流と呼ばれる東北の奥入瀬川で0.7〜1.2㎎/ℓ、四国の四万十川で0.5〜0.9㎎/ℓに対し、大川で1.1㎎/ℓ、堂島川や土佐堀川で2.2〜2.9㎎/ℓ、道頓堀川で2.0㎎/ℓ、寝屋川で3〜10㎎/ℓとなっているそうで、意外ときれいな水になっているのがわかります。(数値は入江氏の説明資料から)とても嬉しいことがあって川に飛び込みたくなった時には、大阪のこれらの川のうち、道頓堀川に飛び込むのが正解とのことです。

川の水がきれいになり、大阪の飲み水も平成10年頃から設備が整ってオゾン処理が施され、美味しい水になっています。一方で、大阪の川は低い土地にある干潮河川であり、海水が入ってきやすい地形で、中之島の真ん中のあたりまで海水が入ってきているそうです。では、海の水はどうかというと、水自体はきれいになっているそうですが、底の泥が汚いまま残っているために、時折"青潮"という現象が起こっています。一見、水面は遠浅の海のように美しく見えますが、実は硫化水素の白い粒が水面に浮いてくるためにそのように見えるそうです。

1/17 鉄道芸術祭vol.8「水の都・大阪の川と海は、きれい?汚い?」ゲスト:入江政安さん(大阪大学大学院工学研究科 准教授)

一方で、高度経済成長時代の海の水が汚い時代の方が瀬戸内では魚がたくさん獲れたともいわれます。下水処理場の処理能力を少し落として、海に栄養分を補給するという施策までが検討されるぐらいだそうです。

そして、今後日本は人口減となっていくことが予測されています。人口減になると自ずと産業活動が減退し、水はきれいになっていくのではないかと推測されます。環境規制は経済活動にとっては生産量の抑制などを強いるもので、今積極的に水質をきれいにすることがどうであるか、政治的にも考える時が来ていると入江さんはいいます。

トーク終了後、参加者からの質疑も活発におこなわれ、関心が高いことがよくわかりました。私たちの生命に欠かすことのできない水、これからの大阪、日本における人口動向や経済活動、都市のあり方とも合わせて考える必要があることを強く感じるお話でした。

 
△ 「カラスが見た都市」 - 2019.1.24(B1事務局 江藤)
▽ 電車公演「ラジオになろうとする電車」を開催しました。 - 2019.1.14(B1事務局 三ヶ尻)

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