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夜のゲーム菩薩、鉄道芸術祭会場にライブ降臨
鉄道芸術祭vol.8 アーティスト・プログラム 飯田和敏「夜のゲーム菩薩 in 鉄道芸術祭」

 2018.11.30(B1事務局 大槻、三ヶ尻)

11月30日、企画展・鉄道芸術祭vol.8「超・都市計画〜そうなろうとするCITY〜」のアーティスト・プログラム、飯田和敏「夜のゲーム菩薩 in 鉄道芸術祭」を開催しました。

本展の参加アーティストであるゲーム作家の飯田和敏さんと、飯田さんが所属するクリエイターチーム・ゲーム菩薩グループのメンバーである中村隆之さん(サウンドクリエイター)、納口龍司さん(イラストレーター、デザイナー)をゲストにお迎えし、お話をお聞きしました。  

「夜のゲーム菩薩」とは、ゲーム菩薩グループのメンバーがテレビ電話越しにゲーム業界やゲームについてお喋りする様子を、インターネットを通じてライブ配信する番組です。この日は特別に、鉄道芸術祭の展示会場にメンバーが集結して番組をお送りしました。

 鉄道芸術祭vol.8|飯田和敏「夜のゲーム菩薩 in 鉄道芸術祭」【VRゲーム「水没オシマイ都市」】

〜VRゲーム『水没オシマイ都市』〜

まず話題は、ゲーム菩薩グループが制作した本展出品のVRゲーム『水没オシマイ都市』へ。
本作は、水没した都市空間を泳ぐ体験型の作品です。

プレイする人は、頭にVRのゴーグルをかぶり、両手にコントローラーを持ち、平泳ぎのような動作をすると前へ進む(泳ぐ)ことができます。現実の地図情報からステージを生成する「シマダシステム」を使用しており、実際の都市がゲームの舞台になっています。本展では中之島エリアがスタート地点になっていました。

また、複数人で同時にプレイできる"マルチプレイ"も可能な本作。今回は隣でプレイしている人とゲーム内でアバターとして再会し、ボディランゲージやアイテムを取り合うなどのコミュニケーションを取ることができました。外部からもアクセスができるように設定をすれば、どこにいてもゲームの中で会うことができるのだそうです。いつの日か、ゲームの中で誰かと待ち合わせ...なんてことが起こるかもしれません。

本作に取りかかった時は販売をするつもりで開発を進めていました。しかしVRコンテンツがなかなか一般に普及しないという大きな問題がありました。開発の締め切りがなく、リリースする必然性もない中、展示のためのゲームも存在するのではないかと考えたそうです。そして今後、どんな風にどんな場所でどんな場所を水没させていくのか、様々な場所で展開していきたいと意欲的に話されていました。

 

〜ゲーム菩薩 私たちはなぜゲームから卒業できないのか?〜

飯田さんは、ガンダムや絵画など様々なことに一時期入れ込むことがあっても何かの拍子に卒業したが、ゲーム作家となった今もゲームで遊ぶことからは卒業していないといいます。

鉄道芸術祭vol.8|飯田和敏「夜のゲーム菩薩 in 鉄道芸術祭」【私たちはなぜゲームから卒業できないのか?】

「すべては時が解決する」といいますが、苦しい時間をやり過ごすための最適な手段がゲームであったと、ご自身のゲーム体験を振り返り"救済"の観点で語られました。不幸な出来事が不可抗力によって身に降りかかることがあるのに対し、ゲームの中の内的な世界ではラッキーな偶然を自分の手で掴むことができます。飯田さんはゲームが本質的に心を救済してくれるわけではないと言います。しかし、長い時間日常から離れることができ、そこにはキュアするための一つのシステムがあったと話されました。「ゲーム菩薩」という名も、"救済"に由来しているそうです。  

また、卒業しない理由として挙げられたのは、ビデオゲームやコンピューターゲームの持っている側面のひとつとして、私たちの生活には未だ組み込まれてない新しい技術やシステムを、一足先に"遊び"というレベルで体験ができることも大きいと話されました。

休憩を挟み、来場者からの質疑を交えて話はさらに深くなります。

鉄道芸術祭vol.8|飯田和敏「夜のゲーム菩薩 in 鉄道芸術祭」

〜VRと現実〜

来場者から『水没オシマイ都市』をプレイした時にVRの中と身体がシンクロする感覚がありとても驚いたという声をいただきました。飯田さんは、身体知の有無がシンクロする感覚を引き起こしているのではないかと言います。平泳ぎをした経験がない人は「平泳ぎで泳げば泳げますよ」と伝えても理解ができないが、経験のある人は水の抵抗の感覚などが身体知として残っていて、それがVRの中でも喚起されるということに展示をして気がつかれたそうです。ということは、これまでのゲームにはできないことができる喜びがあったが、VRはできることしかできないという反転が起こっているのではないか、つまりVRと現実は1対1の関係であり現実は拡張されていないのではないかと考えるようになったそうです。

鉄道芸術祭vol.8|飯田和敏「夜のゲーム菩薩 in 鉄道芸術祭」ゲーム菩薩グループのお三人

 

昨今、VRを利用して、アスリートの訓練や医者に手術の体験をさせるなど、現実に繋がる経験を積ませる傾向も世界的にあるそうです。しかしそこにも根底には、身体の基礎能力や身体知に委ねられている部分が強いようです。トークでは、臨死体験や悟りを開くなど身体知のない経験をVRで行い、後に現実の体験として繋がる時に、どのようなコンフリクトが起きるのかなど、今後の展開を妄想しておおいに盛り上がりました。

ゲーム菩薩グループの皆様、そしてご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 

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