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鉄道芸術祭vol.7「STATION TO STATION」 オープニングトーク+ライヴ「立花文穂、STATION TO STATIONを語る」

 2017.11.21

アートエリアB1では、11月10日より企画展・鉄道芸術祭vol.7「STATION TO STATION」を開催しています。 11月11日(土)には、オープニングイベントとして、メインアーティストの立花文穂さんによるトークと、参加アーティストである太陽バンドさんによるライヴをおこないました。

2017.11.11 鉄道芸術祭vol.7 OPトーク+ライヴ「立花文穂、STATION TO STATIONを語る」立花文穂さんは、ことばや文字、本を題材に作品を制作し、国内外で発表されていると同時に、グラフィックデザイナーとしてアーティストやクリエイター等の様々な本も手がけられています。 なかでも代表的な活動が立花さんが責任編集を務める雑誌『球体』です。2006年に創刊し、現在6号まで発刊されている本誌は、アーティストであり、デザイナーであり、編集者である立花さんの視点や考え、様々な思いが凝縮されている作品とも言えます。

独自の視点で線や文字を探究される立花さんは、元より軌跡や軌道というものにも深い関心を持たれています。

 

オープニングイベントでは、立花さんと太陽バンドさんの他、参加アーティストの石田千さん、荒木信雄さん、長崎訓子さん、齋藤圭吾さん、ワタナベケンイチさん、ナイジェルグラフさん、中野浩二さん、コンタクトゴンゾさん、MAROBAYAさん、片貝葉月さん、藤丸豊美さん、葛西絵里香さん、多数の方々にご参加いただき、 参加アーティストとともに展覧会場を巡りながら、ギャラリートークを行いました。

2017.11.11 鉄道芸術祭vol.7 OPトーク+ライヴ「立花文穂、STATION TO STATIONを語る」ギャラリーツアー

会場真ん中には、一本の湾曲したレールと映像作品があります。
ここでまずは、ポルトガルへリサーチ旅行に出かけることになった経緯を話されました。 「なぜポルトガル?」と思ってしまいますが、実はこの展覧会、立花文穂さんと、荒木信雄さん、石田千さん、高山なおみさんの4名がポルトガルへリサーチ旅行に行くところから企画がスタートしています。
その経緯は、立花さんによると、
鉄道芸術祭の企画にあたって京阪電車で大阪─京都間を往来していると、淀川沿いをずっと走りトンネルがほとんどない、そして曲線が多いということが気に留まりました。
参加アーティストの建築家の荒木信雄さんに相談すると、荒木さんはポルトガルが好きで、大阪と京都の対比がポルトとリスボンの関係に似ているという話になったそうです。
リスボンはラテンの血が入っているかのように明るい土地柄で大阪に似ているし、ポルトは観光地であり古い町並みが残っていて京都のようだと。

かつて、日本からポルトガルへ旅立ち、キリスト教文化とともに活版技術、料理、衣服等の様々な技術や文化を持ち帰った天正遣欧少年使節の4人の少年のように、
文字や本・建築・食・ことばという異なる表現手法をもつ4名が、現代の使節団となってポルトガルヘ赴いたのです。

 

ポルトガルでは、淀川沿いを走る京阪電車と同じように、リスボンからテージョ川沿いを走るカシュテロブランコまでの鉄道、ポルトからかつてポートワインを運んだドウロ川沿いを走る鉄道を選んで乗車しました。
展覧会場の最も広い壁に映された映像は、立花さんがポルトガルの鉄道の中から車窓の外や車内を撮影した映像です。

 2017.11.11 鉄道芸術祭vol.7 OPトーク+ライヴ「立花文穂、STATION TO STATIONを語る」ギャラリーツアー

その後、一つひとつの作品について、参加アーティストの紹介とそのアーティストに参加してもらった理由、作品展示の経緯などを説明されました。
鉄道というものをアーティストがどのようにイメージしているかといったことや、アーティストのことを「絵は下手なんだけど」と歯に衣着せず仰ったり、想像していたものが届かなかったアーティストもおられたとのことで、立花さんとアーティストとの関係の妙も面白く、終始和やかなギャラリートークでした。

 

ギャラリートークを終えると、アートエリアB1運営委員であるコンタクトゴンゾの塚原悠也さんの進行で、立花さんのトークが続きました。

2017.11.11 鉄道芸術祭vol.7 OPトーク+ライヴ「立花文穂、STATION TO STATIONを語る」

立花さんは2006年に雑誌『球体』を創刊しました。発行したきっかけは、本屋で手に取れないような雑誌を見かけなくなったこと。
そのことに危機感を持って古本屋へ行き始めました。
この展覧会は、『球体 7号』を編集するというもので、雑誌をつくるように展覧会をつくるということを体現されています。 展覧会の作品の一部に刷り物の雑誌『球体七號(上リ)』があります。
「(上リ)」がありますから、「(下リ)」もあるとのことです。会期中に発行を予定していますので、ぜひご期待ください。

 2017.11.11 鉄道芸術祭vol.7 OPトーク+ライヴ「立花文穂、STATION TO STATIONを語る」

大阪では、2010年に国立国際美術館で開催された『風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから』展に参加するなど、アーティストとして作品制作や展覧会への参加も精力的に行われる立花さんにとって、紙面をつくることと展覧会をつくることは基本同じだと仰られます。 球体をつくるように、絵画、彫刻、写真、ことば、映像などが目次のように並び、最後に台割ができあがっています。
これらのことばを聞いて、本展は雑誌『球体』のポリシー「美術・写真・ことば・・・さまざまな表現をぐちやっとまるめた紙魂である」を目の当たりにすることができる展覧会なのだと感じました。

他方、都市と都市、駅と駅、点と点を結ぶ鉄道は、点と線で構成されていると言えます。
立花さんが教鞭を取られている女子美術大学では、1年かけて点を集める、もう1年かけて線を集めるということを授業をされています。
それは、点が線を形成している感覚を知ることが大事であり、それが文字を知ることにつながるという考えからです。
学生には悩むほど考えると景色が変わることを知ってほしい、自分がやっていることを楽しむことを自覚してほしいというお話もありました。

 

トークの後には、太陽バンドさんによるライヴがおこなわれました。 ギターとハーモニカと歌声により、軽妙な詩でありながら叙情的に歌い上げられる曲が印象的でした。
本展の展示作品に、石田千さんがポルトガルを旅して作った「かつて彼らが旅したように」という詩があります。

2017.11.11 鉄道芸術祭vol.7 OPトーク+ライヴ「立花文穂、STATION TO STATIONを語る」ライヴ
これに太陽バンドさんが音をつけた鉄道芸術祭vol.7用の新曲も披露されました。
また、展覧会には、立花さんがポルトガルの蚤の市で購入されたとある楽譜も展示されています。 表紙には汽車が描かれ、その名も' IL TRANO(THE TRAIN)'。
この楽譜を読み解くことを依頼された野村卓史さんとの交渉のエピソードも太陽バンドさんによって紹介され、会場は笑いに包まれました。 この曲は、12月初旬より展示予定ですので、ぜひご期待ください。

 2017.11.11 鉄道芸術祭vol.7 OPトーク+ライヴ「立花文穂、STATION TO STATIONを語る」ライヴ

「『球体』はできあがってからできていく。」

この立花さんのことば通り、鉄道芸術祭vol.7「STATION TO STATION」はこれからも変化します。 雑誌『球体七號(下リ)』の発行、楽曲作品「'IL TRANO(THE TRAIN)'」、その他、葛西絵里香さん、MAROBAYAさんの作品も会期半ばでの展示を予定しています。
高山なおみさんとコントユニット・テニスコートによる電車公演やリサーチメンバーによるトークショーも開催します。

 

約2ヵ月半の会期をかけて、編集され続ける鉄道芸術祭vol.7「STATION TO STATION」を体感しに、ぜひ展覧会へお越しください。

 

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