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科学技術の使い方、その考え方(科学技術社会論・中村征樹さんトークプログラム)

6/21(火)、サーチプロジェクトvol.5関連プログラムとして「科学技術」をテーマに、大阪大学全学教育推進機構准教授で科学技術社会論・科学技術史の専門家である中村征樹さんをゲストにお呼びして、対話プログラム(グループディスカッション)を開催しました。
中村さんによる天気予報からみる科学の捉え方
最初の導入では、科学技術に対する考え方・捉え方について、天気予報を例にしたお話がありました。
現代の生活では、数日先まで降水確率が何パーセント、ということが当たり前に示されています。
しかし人によって傘を持っていくかどうかは違います。
少しの確率ならば荷物になる傘は持っていかない人、絶対に濡れたくないので必ず持っていく人など。
このように、同じ技術の使われ方でも捉え方は様々です。

イギリスの理科の教科書について 科学技術とリテラシーについて
もう少し複雑な問題として、イギリスの学校で教材として使われている「理科」の教科書の紹介がありました。
そこでは、科学技術の使用には倫理的な問題を孕んでいること、科学リテラシーを学ぶことも含めて、科学を学ぶこととされています。
具体的な例として「出生前診断を行うことは正しいことか?」という問題について、賛成・反対含めたくさんの意見が載せられていました。
科学技術を使う上で人によって様々な考え方があり、答えはひとつではない、ということを考える教材となっています。

「なにを考慮に入れて だれがどう決める?」

今回のキーワード
これが科学技術社会論を考えるキーワードであり、今回のグループディスカッションのテーマです。
このことを考える上で、今回はあるひとつの記事を題材にしました。
その記事は、東日本大震災で津波の被害を大きく受けた気仙沼で、津波対策として10m近い巨大な防潮堤を浜に設置するということに対する様々な問題が取り上げられたものです。

防潮堤
ディスカッションに展覧会場を活かして「寝室」「食事室」「庭」の3つの部屋でそれぞれ5名ずつほどで意見を出し合いました。
今回のディスカッションは、問題に対して何か一つの答えを出そうという訳ではなく、どういった事が考えられるか、意見を出し合って考えを深める、ということが目的です。

30分ほどそれぞれのチームで意見を出し合ったあと、最後にまとめとして各チームで話された内容のあらすじを発表し、本日のプログラムは終了となりました。
「防潮堤の高さの必要基準は誰が決めるべきか」
「そもそもそこには今後誰が住み誰を守るために作られたのか」
「そこに住む人が幸せになる選択は防潮堤があることなのかないことなのか」
「科学的に『何m~までの津波が来ても被害を押さえられます』ということが求められているのか」
「海と一緒に生きてきた住人の方から海のすぐ近くでの生活を奪ってまで防潮堤を作っても、生きている意味はあるのか」
「この巨大な防潮堤の設置に賛成なのはどういった理由があるのか」
などなど、ここに挙げきれないほどたくさんの事柄が話されました。

寝室での話し合いキッチンでの話し合い


この防潮堤の問題のように、災害と科学具術に関する問題には、すぐに答えが出るような簡単なものはありません。
だからこそ、人と意見を交わし合い、考えを深めていくなかで対立する意見からどちらかの「正解」を選ぶのではなく、より良い考えを見つけ出して行くことの重要さが今、求められているように感じます。
それは科学技術に限らず、生活、食、政治、経済などすべてのことに共通であり、いままで関連プログラムとして開催したトークイベントでもそういった考え方が様々な切り口で、まさに「所作と対話」展としての大事な在り方が提示されているように思えます。
そういう意味でも今回のグループディスカッションは、とても象徴的でした。
今回の展示やトークプログラムを通して、これから先の日々を災害も含めてどう考え、どう過ごしていくかのきっかけが何か得られれば、と感じました。

全体でのまとめ

 

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