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惹かれてやまない「石」の魅力!(鉱物学者・佐伯和人さん×美術家・小山田徹さんトークプログラム)

5/20(金)、惑星地質学、鉱物学の専門家でありサーチプロジェクトvol.5アドバイザーの佐伯和人さんと、同展覧会出展者の美術家・小山田徹さんをゲストに迎え、対話プログラムを開催しました。
今回の対談は、展覧会場内の一番奥、佐伯さんの書斎をイメージしている、月球儀や鉱石、ドローンのある(佐伯さんの研究室からお借りしています)部屋を背景にしての開催でした。
かなり天気がよく夏日なみに気温の上がったこの日、会場内も少し蒸すような空気でしたが、それとは別の、「石」に対する情熱が人一倍強いゲストお二人からの熱気が静かに出ていたように思います。

小山田さん×佐伯さんトーク


この日が初対面だったお二人は、自己紹介を兼ねて、まずご自身の活動についての紹介をすることに。
小山田さんからは、人と人が対話を行える場所づくりを行っていることについて。
人の集まるコミュニティーを芸術の側面から捉えるという枠組みをつくり、焚き火をおこしたり、《握り石》を使った対話WSを行ったり、共有スペースの設置で機会をつくっていく活動を説明されました。

小山田さん×佐伯さんトーク

そして佐伯さんからはご自身の研究の専門領域の惑星地質学、鉱物学の説明をされてから、科学的な視点から見た「石」についてのレクチャーがスタートしました。

「石」や「鉱物」とは、そもそも何を指すのでしょうか。
それらの持つ形や色味、触った時の感触などの性質から学術的に分析した場合の詳細を、実物を映像で投影したり時には参加者の皆さんに触ってもらい、紹介頂きました。
レクチャーは「岩石」と「鉱物」の違い、形での分類の仕方などから始まりました。
「岩石」とは、「鉱物」の集合体のことを言います。
「鉱物」は物質の性質が現れてくる最小の単位で、地球上に元々ある、あらゆる物質の基となるものです。(人工物はその限りではありません。)
「鉱物」を半分に割った場合に対称になるかどうか、割って対称になるカット面がいくつあるか、などの分け方があります。

小山田さん×佐伯さんトーク小山田さん×佐伯さんトーク
さらに詳細に、鉱物の強度について。この場合の硬さというのは「ひっかいた相手にキズをつける」という意味で、衝撃による割れやすさは別の要素なのです!
「モース硬度計」という硬度の標準となる鉱物10種(柔らかい順に、滑石、石膏、方解石、蛍石、燐灰石、正長石、石英、トパーズ、コランダム、ダイヤモンドで、柔らかいものから1~10の数字が割り振られている)を使って説明されました。
鉱物好きは知らない石について調べるとき、まずこのモース硬度がいくつになるのか、というところが気になるそうです。

小山田さん×佐伯さんトーク

また、鉱物には方向による割れやすさの性質があり、実際に割ってみましょう!ということに。
佐伯さんは鉱物用ハンマーを取り出し、今までに説明のあった石を解説とともにガツンガツンと叩き割られました!

小山田さん×佐伯さんトーク 小山田さん×佐伯さんトーク
割れたあとの形や割れやすさについて説明する佐伯さんは、まるで実験をする子供のようで、とても楽しげなご様子!
レクチャーや実演が行われている時折、小山田さんからは「たまらんですねぇ。。」という言葉が何度も漏れ、お二人の石に対する情熱があふれていた瞬間でした。(石を割るため下に敷いた図鑑の紹介を佐伯さんがされると、小山田さんからすかさず「僕も持ってます!」とのお答えが。本当に楽しげでした。)
そして、宝石などに見る鉱物の光り方や温度、触感の不思議へとお話は続いていきました。
小山田さん×佐伯さんトーク

佐伯さんの鉱物レクチャーの後、佐伯さんと小山田さんの対談となりました。
小山田さんが科学とは違う石の種類の分け方として最初に出されたものに漬物石がありました。これは生活のなかで使う為の種類分けの例で、科学的にどういった種類や性質を持った石であるかは問題ではありません。ある程度の重みがあり漬け物に乗せるのに丁度いい大きさの石がそう呼ばれます。ほかにも宗教の場合で神様に見立てたりする石の使われ方など、人との関係の上で呼称され、使われる「石」のあり方からお話は展開していきました。
なぜ「石」に惹かれるのかや「石」に関する活動の具体例として佐伯さんの所属する「火山学会」と小山田さんの所属する「洞窟学会」での活動など、淡々とお二人の「石」に対する付きない興味のお話がひとつ、またひとつ、と続きました。
何時間でも話していられると仰るお二人は口調は静かながら、とても目が爛々としていました。
小山田さん×佐伯さんトーク
最後に参加者の方々からの質問の時間に。
「もしお二人の大好きな石が存在しない世界に行ったらどうするか?」という質問がありました。それに対し、この世界を構成する要素の大部分が鉱石なのできっと私は惹かれている。もしなかったらその場所を構成する別の要素を発見して、それを調べてみたい。という佐伯さんの答えがとても印象的でした。

地球を構成する要素の大部分が鉱石ということはあまり考えたことがなく、普段生活している身の回りには人工物ばかり、という事実に不思議な気持ちになりました。
私たちが日常で接している部分は地球の本当に表皮の部分でしかなく、その本質は鉱物や岩石でできています。それらによって地球は構成され火山や地中のマグマなどの活動をしています。
地球の日々の活動の結果で島や大陸は出来ており、それは時に地震や津波のような災害をも起こしているのだと、地球の活動の膨大な時間の積み重ねで生成された鉱物についてを知ることで「石」の持つ不思議な性質に考えを巡らせ、少し気づきがあったように思います。
そして、そんな「石」にかける思いが非常に強いお二人の熱が、静かに迫ってくる、対談でした。

小山田さん×佐伯さんトーク

 

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