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惑星地質学・鉱物学研究者と民俗学者に聴く、地球と災害

ただいま開催中の企画展・サーチプロジェクトvol.5「ニュー "コロニー/アイランド"2 〜災害にまつわる所作と対話〜」では、惑星・地球に位置する日本列島そのものや地球の営みから起こる「災害」をテーマにしています。
"地殻変動などの地球の営み"として災害を捉える視点のアドバイザーとして、惑星地質学・鉱物学研究者の佐伯和人氏(大阪大学大学院理学研究科 准教授)を、"自然からの恩恵を受けて生きる人々の営み"から災害を捉えるためのアドバイザーとして、民俗学者の川島秀一氏(東北大学災害科学国際研究所 教授)をお迎えしています。

そのお二人にゲストにお越しいただいたラボカフェスペシャルfeaturingサーチプロジェクト「地球と人の営みから見えてくる災害」を4月9日に開催しました!

トークはお二人の研究内容の紹介からスタートしました。

川島先生の研究について①川島先生の研究について②

まずは川島先生の、民俗学者としての「災害」から。
私はこれまで、各地に残る「災害碑」は「この地で起こった悲しい/大変な出来事を忘れないためのもの」と単純に捉えていましたが、その中には、未来へ向けてのメッセージとしての「記念碑」と災害で亡くなった方への供養として建てられている「供養碑」があること、そして碑を建てて終わりではなく、忘れないために毎年行事が行われている地域もあることを知りました。
民間伝承や海に生きる漁師の伝承には、個人的ではあるけれど一人ひとりの経験に基づいた言い伝えであり、自然と共に生きてきたからこその判断がたくさん含まれている。と語る川島先生。防災マニュアルが機能しなかった、避難警報のレベルが間違っていたのではないか、などと災害の際のニュースでよく問題視された声が上がりますが、災害・自然そのものを見ずに作られる、机上のマニュアルには多くの危険性がはらんでいることを実感しました。
都市は自然を覆い尽くしているからこそのリスクがある。という川島先生の言葉が、とても印象的でした。

佐伯先生の研究について①

佐伯先生の研究について②

続いて佐伯先生。地質学者としての「災害」とは。
災害多発地帯と言われる日本。なぜ災害が多いのか、地震が多いのかということを地球のつくりから分かりやすく解説していただきました。
地球の営みの中で、起こるべくして起こる自然災害。他の星ではなく、地球がひとつの生命体のように、常に動いているからこその災害は、地球である以上、欠かせないことでもある──。

対談①

対談②

最後に、お二人と、進行役のカフェマスターを交えてのトーク、さらに参加者のみなさんからの質問もいただきました。

東北大震災から5年が経ち、震災を風化させてはいけない。と言われることもあるが、実際の被災者や大切な人を失った側からすると、忘れたくても忘れられない爪痕を残していく災害。
研究結果としての健康被害から、そこで暮らすことを認められないが、大切な人たちと過ごした故郷がいきなり「暮らせない場所」と言われても離れることが出来ない人に対しての「正しい答え」はあるのでしょうか。
研究内容・視点の異なるお二人から、自然・地球を「知ること」、自然が制御できるものではないと理解することの重要さを伺いました。

 

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